徒然なるままに

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玄関を開けてみれば


「久し振りだなアカネ」



素敵なイタチ兄さまが出待ちしてくれてた





「イイイイイイイタチさん!?」





「今日は休みなんだ」
「え?サスケを構わなくていいんですか?」



なーんていうとイタチさんはクスリと笑う




「今日はアカネを構いたい気分なんだ」








ぐばッ(吐血




そんな爽やかに言われると吐血するわ…



「…なんてな カカシさんならそんな事言うかもしれないな…」
「なんのフェイントだったんですか…イタチさん…」





がっかりだわ!(淡い期待)





「ま!オレはそんなこと言わないけどね!」
「どこから現れたのですか カカシ変態」




割とマジで。
さっきまでイタチさんしかいなかったよね




「全く素直になれないよね!アカネは」
「ぎゃー!抱き締めないでー!暑い!」
「…(笑)」





クスリと笑うイタチさん
笑顔が素敵です!
でもカカシ変態は変わらずですな…


とりあえずみんなあたしの自宅へ





「オレ アカネの家初めて…優しくしてね」
「何をですか」





ほんまに意味が分からない…




「そういえばイタチさんも初めてですよね」

「あぁ」




サスケは何度かあるけど…
そう思いながらもお茶菓子の準備をする





あ、そういえば…





「どうして急に二人ともあたしの家に?」
「実は火影様から手紙を預かっていてな」




お茶を出したあと、イタチさんから手紙を受け取る




「…これは…」
「風影様からだ」
「マジですか」
「嘘だろイタチ…」




「ってかカカシさんは何も知らなかったんかい」
「オレは手紙を受け取ったイタチについて来ただけだから〜」




ついてくんな←
イタチさんと二人っきりがァ←




そして何故かよっこいしょっとカカシさんの足を組んだ膝の上へ座らせられる





「あのーこれはどういう…」
「良いから良いから」
「良くないー!」





バタバタと暴れるもカカシさんには勝てない

仕方なく居座ることに。





イタチさんと目が合う
…ちょっと照れちゃうかも




ニッコリと微笑むイタチさん




「イタチさん?」
「カカシさんの膝の上に座っていると、背が高くなったみたいだ」
「ッ/////」





ポンポンっと頭を撫でられる

イタチさんにされるとなんだか恥ずかしい





「あ、イタチばかりずるいー!オレも…」
「阻止します」
「なんで!?」




イタチさんの頭ポンポンは渡しません(謎





「しかし何故風影様はアカネのことを知ってるのかなー?」
「昔 砂が暮れの里にしばらくお世話になっていたことがあるんですよ」
「…」
「そーなん… なんで!?」





「カカシさん知らなかったの?」
「初聞きだよ」
「カカシさん動揺しすぎて間違えています」




イタチさんはクールに突っ込んだ

確かに…それをいうなら「初耳」だよね




「何年か前に里の交流を深めるために、風影様のところにお世話になっていたの」
「な…なんと、まー」
「…」





…我愛羅 元気にしているかな
形的に裏切ってしまったけど
また一人で泣いていないかな




…心配。




「じゃあ、ま。とりあえず手紙も読んでみないと
今何を考えても一緒だよアカネちゃん」
「そ、そうですよね」




たまにはいいこと言うねカカシさん

開封するとキレイな短文で書かれていた





『久しぶりだねアカネ 元気にしているかい?
我愛羅が会いたがっているよ
また砂隠れに遊びにおいで 風影』







「遊びになんか行かせないもん!」
「なななななんですか!?急に!覗き見しないでくださいよ!」




手紙に思いを寄せる暇もないわ!




あ、でも仕方ないか。この座り方なら…




「なんて書いてあったんですか?」

「砂が暮れに嫁に来いって!」
「全然ちゃうわい!」



ギャーギャーと二人で言い合っていると
スッとイタチさんから手紙を取られる




「…」
「あ、あのイタチさん?」
「アカネはこの子に会いたいか?」
「…会いたいけど、怖い」
「…そうか、悪かったな」




怖いよ やっぱり…




「その子はアカネの恋人なのー?」
「違います」
「…」




すっとイタチさんの手が伸びてくる




「アカネの恋人はオレだよ」
「え?」
「んな!」




なんて言いながら頭をポンポンとしてくるイタチさん





一気に顔が赤くなるのがわかる





「ダーメー!そんなのカカシさんが許しません!」
「カカシさんが許してくれなくてもアカネが許してくれるならオレはそれでいいですよ」

「イーヤー!この子賢い!」
「うちは一族ですから」(ニコっ

「オレだって写輪眼なら持ってるもんね!
そして本当は賢いんだからね!」
「カカシさんは天才ですよ」

「アカデミーを7歳で卒業した子に言われるとあまり嬉しくはないかな…」
「カカシさんだって5歳で卒業されたんでしょう」

「………」
「………」



「カカシさんこのやりとり楽しくないので止めませんか?」
「…それ思っていたとこ」






イタチさんとカカシさんが何やらやり取りしているみたいだけどあたしはそれどころじゃない

憧れのイタチさんからあんなこと言われるなんて…





———————アカネの恋人はオレだよ—————






たとえ冗談でも嬉しい






「何ポーっとしているの?アカネちゃん…
もしかしてイタチにときめいたとか?」

「ときめきました」

「いやー!なんでオレにはときめいてくれないのにー!」





ぎゅうーっと抱きしめられるが
なんかもう それすらどうでもいい




「これはアカネちゃん相当重症だわ」
「オレが悪いんですか?」
「自覚あるでしょ ホントは」




はぁっとカカシさんがため息をする




「ま。アカネちゃんが誰にときめいてもオレの心は変わらないよ」


「何か言いました?」
「今はオレにときめいてよ!アカネちゃん!」




うわー!っとカカシさんに強く抱きしめられる



よくよく考えてみればこんなに強く抱きしめられる事ってあまりないかも






でも放置。カカシさんはこれで丁度いいんだ









—————ドクン—————







「!」
「?」
「…」








心臓が、脈が、強く響く…








あたし…大切なこと…忘れている気がする








そう思うと頭痛が襲ってきた






「うッ…ん…」
「アカネちゃん大丈夫?」
「どうした?アカネ」
「あ、あたし…」









———————未来で会おう


—————————たとえ記憶を失っても


—————————————オレは…






あなたは…誰…?






—————————————————アカネ———愛している———…







懐かしい声

この人は




あたしがよく知る人だった




******






「どうして…こんな事するの」
「…それは…」
「お願い、やめて…」
「それはできない。君の為なんだ」
「そんなの嘘…」

「君を未来に託すよ」
「イヤ!」
「このままじゃ辛いだけなんだ」
「こんな結末、誰も望んでいないわよ!」

「君も大人なんだ わかってくれ」
「それならずっと子どもでいいもん!」
「…」



そして彼は ニッコリ笑って




「アカネ…また今度だ」




なんて言って あたしの額をこずくのだった







薄れゆく意識の中で

悲しくてたまらなかった

とても とても

悲しくて 泣き出して

何年もの眠りについた

紅憐華のなかで——————————








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