徒然なるままに

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※シカマル視点





オレは今自分でもわかるほどMAXに機嫌が悪い





「シカマルー…大丈夫?」
「—————ん、あぁ。大丈夫だチョウジ」





んなワケねぇ。
けど他の奴に八つ当たりは良くねぇ
なるべく表に出さないようにしているつもりだが、わかるやつにはわかるみてぇだ




「…アカネちゃん、まだ来ないね」
「そうだな」
「心配じゃないの?」
「別に。あいつは元々遅刻魔だったろ」
「そ、それはそうだけど…」




あぁー 面倒くせぇ 
なんで女一人の為にこんなに感情が揺さぶられなきゃいけねぇんだ




考えないようにすればする程 離れねぇ





「—————あの、奈良くん」
「…」
「シカマル、呼ばれてるよ」
「ん、あ。…すまねぇ どうした?」





同じクラスの女だった
名前までは興味ねぇから覚えてねぇけど
話しかけられたのは初めてかもしんねぇ




「さっきの授業のココわからなくて…奈良くんなら教えてくれるかなッと思って…」
「オレ、授業の話聞いてねぇけど」
「ご、ごめんなさい…」
「シカマル!失礼だよ!ちゃんと教えてあげなよ。シカマルならわかるでしょ?」





チョウジに言われて渋々彼女の教科書とノートを開く




こんな簡単な問題も解けなくて良く忍びになろうと思ったよな…

一つ一つ解説してやれば納得した風な顔してベタベタと身体をくっつけてきやがる




こんなに馴れ馴れしいくて積極的なのは好きじゃねぇ
少しだけサスケの気持ちが分かった気がする




とりあえずうぜぇーから その都度離れる





「あーもういいだろ!わかったんならオレから離れろ」
「奈良さん…酷いです…せっかく…」
「せっかく、なんだよ」
「藤宮さんがいない時に話しかけたのに」





がばっと
その女は勢いに任せてオレに抱き着いてきた





「きゃー!」
「なに!どうしたの!?」





ざわつく教室
あー 面倒くせぇ
なんなんだ この展開






「私…ずっと奈良くんのことが好きだったのに…藤宮さんが来てからずっと…
あなたの隣には藤宮さんがいて…
あの子は私の欲しいものを奪っていく」
「…」

「今日の奈良くん藤宮さんの席ばかり見て
藤宮さんのことばかり考えている」
「…」



「私は誰よりも奈良くんのことが好きなのに!」





シンと静まり返る教室
名前も知らねぇ女に告白された
完全にマウントを取られたオレ





こんな状態だから教室のみんなもオレらに注目する


誰も助けてはくれない
——————アイツがいたらなんて言うんだろうな








「…あ、あれ みんなどうしたの?」









バットタイミング






なんでこういう時に来るかね…

何も知れらねえアイツはもちろん自分の席…
そう、オレの隣の席へと階段を下りてくる




もちろん誰も止めない
この修羅場を楽しんでいるに違いない
(チョウジは単純にどうしていいかわかんねぇだろうが)





ボスンと荷物が置かれるとともにオレとあいつは目が合った




そして首をかしげて言ったんだ






「あれ…あたし席間違えたのかな」





ニッコリ笑って
心の中を隠すように



アカネは荷物を持って教室を出て行った





「シカマル 彼女 おめでとう」と
全然嬉しくない言葉を残して。






オレのイラつきは上限値を超えたのが何となくわかった






「退けよ」
「え?」
「…退けって言ってんだよ」
「でも藤宮さん おめでとうって…」

「オレがいつお前を好きだって言ったかよ」
「————!」

「オレの感情はオレが決める」





だから、退けよ






そういうと女は泣き崩れた
こんな自己中な女はマジでお断りだわ




その後すぐにアカネの後を追うが見つかんねぇ

話してぇのに話せないってもどかしいな…
始業のチャイムも気にせずオレはアカネの捜索に向かった





*****




※アカネ視点





「聞いてよ!ゲンちゃん!」
「うるせぇ!仕事中だ アカネはさっさと授業に戻れ」

「あたしの席がないという新たなイジメなの!へるぷみー!!」
「そら幻覚だ よかったな ほら戻れ」

「あー!もうあたしの心傷ついたー!!これは罰金もんですわ!!!」






とりあえず教室は居場所がなかったので医務室へ避難するもゲンちゃんから超雑な扱いを受けている





「もーいいもん。心の傷がいえるまでいつまでも居座ってやるー」





ムスッとむくれてベットに入り込む



…あったかい
あたしの心をあたためてくれるのはこのオフトォンだけだよ…






「あーも勝手にしろアホ」
「アホでいいもん」




枕を抱いていると落ち着く





「全く乙女心をわからない男どもってホントにないわー」

「…退けてください。カカシ変態」
「んもー相変わらず酷いんだから」
「…二人ともどんな関係なんですか」






いつの間にやらカカシさんから膝枕されているし
しかも頭ヨシヨシしてくれているし
ちょ、なに、この人 こんなだったけ…





「あのーカカシさん医務室に何の用ですか?」
「傷ついた乙女心を癒しに来たんだよ」
「何で知っているんだよ 怖えよ」




なんでこの人がくるとコントになるかな…






「心が傷ついた乙女を癒す存在…それがこのオレさ」

「あー すごいタラシだ
病んだ乙女をたぶらかして乙女心を弄ぶ悪い奴だ」

「カカシさん確かにその言い方だとアカネの言う通りになりますよ…」




「もう!アカネってば素直じゃないんだから!」
「ふへへふほほほ!(その手を放してください!)」
「カカシさん それは完全にセクハラです」




あたしの両頬を片手でむぎゅむぎゅするな!
これ絶対変顔になってるやつやん!




「大丈夫!オレは変顔のアカネちゃんでもなんでも受け入れるからッ!」




なんでわかるんだよ
勝手に人の心を読んでんじゃねぇよ
怖えええよ!




「カカシさん さすがに気持ち悪いです」
「何言ってんのーゲンマー。これくらい当たり前のことしてるんじゃないの」





ストーカーのですか?
それとも変態の当たり前をやっているんですかね?





「それとも…大人の世界の扉の開け方教えてあげようか?」
「カカシさんアカネはアカデミー生ですよ」




全く。カカシさんってば
もっと静かでクールならもっとかっこいいのに…




「あら、静かにクール系がお望みかな?…そうだね。例えばこんな?」



だから勝手に人の心を読むなボケ



そしてなんで壁ドンなのー!?
全然ときめかないよ!
カカシさんにされたら怖いだけだわ!





「あのーカカシさん?」
「どうしたの?ドキドキがここまで聞こえてくるよ?アカネちゃん」

「あのーカカシさん。ここラブホじゃねーっす…医務室なんでそーゆーの止めてもらっていいんですか?」
「もー ゲンマったら邪魔しないでくれる?」


渋々あたしから離れてくるカカシさん





ゲンちゃんさすがだよ!有難いよ!
ヒーローだよ!マジで!!




はー カカシさんに振り回されて疲れたわ
マジで…






とりあえずベットからゲンちゃんの方へと避難する





「あ!なんでそんなに離れちゃうの!?アカネ!」
「変態だからです」
「さりげなくオレを巻き込むの止めてくれない?」







くらえ!ゲンちゃんの盾!



だがしかし、容赦なくカカシさんの魔の手があたしに向かってくる





ガララッと医務室の扉が開く




「—————! …アカネ」
「あ!シカマル…」




カカシさんに後ろから抱っこされた状態で見つかった




「ん?テメェは…どうかしたのか?」
「いやアカネに用があって探してたんすよ」
「あたしに用事?彼女は?」
「あらま。二股はいかんよー若いのに」
「ぎゃー!離してください!カカシ変態!」




はぁーっとため息をしながら頭を抱えるシカマルとゲンちゃん




「二股って…アカネの勘違いでオレには彼女なんかいないっす」
「え…じゃあ あの子は…」

「何々?お兄さんアカネちゃんが絡んでいるならすごく気になるし聞きたいなー」
「カカシさんオレらは入らないほうが良いっすよ」




あたしとカカシさんをべりっと引きはがしシカマルにパスするゲンちゃん





「ゲンちゃんんんんんんー!?」
「とりあえずこれでうるせぇ奴らも居なくなるし
ここも静かになるってもんだ」

「ヒドイ!ゲンマ!オレのアカネちゃんをー!」
「カカシさんも早く任務に戻って下さい」



シカマルにポイ投げされたあたしは
シカマルの上にドサッとのしかかる




「…重てぇ」
「ごごごごごめぇん」




「イテテ…アカネこそ大丈夫かよ」
「シカマルが下敷きになってくれてたから大丈夫…」

二人手を取り合って立ち上がる

「そおいえばあたしに用事って何?」
「他にも色々話したいことがあんだ 行くぞ」







シカマルはそういうとあたしの手を引きいつもの場所へと向かった










*****
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