徒然なるままに

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しばらく抱きしめたままナルトの頭を撫でていると、落ち着いたのかそのままスヤスヤと眠ってしまった



私がいない間、相当心配してくれていたのだろうか
熟睡しているであろうナルトは優しく床に寝かせても起きなかった



火にかけているなべを見に行くと吹き零れることなく、グツグツ煮えており野菜の旨みの香りがしていた




ナルトが起きてからルゥを入れよう



コンロの火を止めると家のインターホーン鳴った



誰だろう?

今日は人が来る日だなーっと思いながら玄関を開けると



「…」
「…」
「あ、あー…いらっしゃいませ?」
「…近くを通ったから来ただけだ」



うちはサスケがいました。




「え、ちょ、急にどうしたの?」
「来たらいけねぇのかよ」
「いやー、そんなんじゃなくてね?」
「…誰かいるのか?」
「あ、うん。ナルトがー…って、何してんの?」
「邪魔する」
「はァ!?」




私と玄関をすり抜けズガズガと上がっていくサスケ


…ここ、私の家だよね?



しばらくしてナルトの声が家中に響いた。




******




「なーんでサスケがいるんだってばよ!?」
「オレはアカネに会いに来たんだ」
「せーっかくアカネちゃんと二人で楽しい休日を過ごしていたのに邪魔しやがってー!!」
「それはこっちの台詞だ、ウスラトンカチ」
「ま、まあまあ…」




この2人ってこんなに仲が悪かったっけ?
私がクラス違うから知らないだけなのかも知れないけれど



「そういえばナルト。もう野菜が煮えてたからそろそろルウを入れないと」
「おー!!待ってましたってばよ!!」



先程の険悪なムードは何だったのだろうかというくらいの笑顔でキッチンへと向かうナルト



それに続こうとするとサスケに手を掴まれた



「何してたんだ」
「ナルトと一緒にカレー作りを…」
「…」
「ナルトってば一人暮らしで全然野菜食べてないからさ」
「…」
「?」



何も言わないサスケに頭をかしげていると、ドタドタトとナルトが戻ってきた



「アカネちゃーん!!オレってば良くわかんないから一緒に…って、何してるんだってばよ?!」
「あのー…ナルトと一緒にカレー作りした話を…」
「オレとアカネが話すと悪いのかよ」

「むむむッ…良くないってばよ!!サスケ菌が移る!!」
「どういう意味だウスラトンカチ!」
「いだだだだッ…二人とも落ち着いて!そうやって引っ張り合ったら私千切れるから!!!」




容赦なく私を引っ張り合う二人。
男の子だからか力が強すぎて本気で痛いんですけど…!



「…すまない」
「だ、大丈夫か?アカネちゃん??」



同時に力が弱まる二人。
私の顔を覗き込む二人に火花が散った(気がした)




「…アカネ腹が減った」
「サスケもカレー食べていく?」
「だぁぁぁぁー!!ダメッダメッダメッー!!!!
大体オレとアカネちゃんが二人で作ったんだからサスケなんかが食べる資格はないってばよ!!!」



「働かざる者食うべからずってアカネちゃんも言ってたもんな!」と腕組みし、へっへーんと勝ち誇った笑みを浮かべるナルト



「…」
「サ、サスケ?」



黙ってキッチンへと向かうサスケを追いかけてみれば



「あ…」
「これで文句ねぇだろ」



既にカレールウをなべに入れ、おたまで混ぜているサスケがいた




******




「…」
「…」
「…あのー…」



三人でテーブルを囲む私たち。
そして無言の食事time



私の勘違いかも知れないけれど食事って楽しく食べるものなんじゃないのかな…?(シカマルやチョウジ君みたいに…)




「おかわりまだあるから」
「「おかわり!!」」



バチバチ…っと二人の視線に火花が散った(気がした)




2人の皿を持ってキッチンへ向かおうとすると、サスケが「自分でやる」と言って立ち上がった
それを見たナルトも「オレだってそれくらいできるってばよ!!」と後を追いかけて行った



うーん。
どうしてこの二人は仲が悪いんだろう



そんなことを考えていると二人がお互いを睨みながら戻って来た



「オレが作ったカレーがそんなに美味くて仕方ないとか。サスケってば料理上手のオレに嫉妬してんのかなー???」
「図に乗るなウスラトンカチ。アカネが居たから美味くなってるんだろうが」
「…汗」



最早何も言えない私。



「でも本当美味しく出来てるよね!
一人じゃなくて二人と一緒に食べられるからもっと美味しく感じちゃうよね!!!」
「…」
「アカネちゃん…」



そしてそのままお互いを睨み合い「「フン」」と食事を始める2人



…確かに仲は悪いかもしれないけれど
似たような考え方だからなのかも。

そう思うと二人のやりとりが可愛く思えてきた



「「「御馳走様でした」」」



気付けばなべ一杯にあったカレーもあっという間になくなっていた



「それじゃみんなで後片付けだね」



三人でキッチンに立つのはとても狭くて。
家族ってこんな感じなのかなって思った



家族という温もりを感じた気がした






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