徒然なるままに

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今日は木の葉の創立記念日らしくアカデミーも新聞配達もお休み



静かな朝を迎えた。




「はぁー…」



今日何度目の溜め息だろう。

ふと自分の唇に触れてみれば昨夜の出来事に顔を赤くしてしまう




シカマルにキスされた後。
彼は私を抱いたまま倒れて爆睡



その後の弁解に大変苦労した←

しかし、酔った勢いとは怖いものである




昨日のことが頭の中をリピートする



朝食も摂らずにベットの中でぐったりしているとピンポーンとインターホーンが鳴った


パジャマのまま玄関を開けてみれば金髪少年が抱き付いてきた



「ちょッ」
「アカネちゃん!」
「な、ナルトッ!?」



ヨタヨタと玄関先で座り込んでしまったけれど、ナルトは私を離そうとはしなかった



「心配したってばよォ〜…」
「ご、ごめんね。急にアカデミーに行けなくなっちゃって…」



何故2週間も入院しておかないといけないのか。
私自身納得できないところもあるんだけれど…




「オレってばアカネちゃんずっと待ってたんだからな!?」
「あ、ありがとう…?」



最近ナルトとは全然絡みがなかったからなァ…
寂しい思いをさせていたのかも知れない



ナルトは私と同じで



「独りは辛いってばよ…」
「…」



その苦しみは痛いほどわかるから。




「ナルト、一緒にごはん食べようか」



少しでもその苦しみを2人で分け合おう
私ができること、すべてを君に…




*******




「アカネちゃん…ご飯食べるんじゃなかったのか?」
「食べる為に作ってるんじゃないの」
「なんでオレまで…」
「働かざる者、食うべからずって言うでしょ?今のうちに包丁に慣れておかないと大人になってから苦労するのよ」



2人でキッチンに立つ



ナルトに何が食べたいか聞くと、案の定「ラーメン!」と答えたので軽くデコピンしておいた
(嫌いなものを尋ねると「野菜…」と自信なく額を隠しながら答えたナルトは可愛かったけれども…)



生野菜はサラダを作っても食べてくれないのは目に見えていたのでカレーを作ることに。



ナルトには料理を憶えて欲しいので、ニンジン、ジャガイモの皮むきをしてもらい、私は米を洗う



「…野菜の皮むき難しいってばよ…」
「ピーラーでするから簡単だよ。包丁の方がもっと難しいしから大丈夫だよ」

「うう〜…ジャガイモもヌルヌルしてやりにくいってばよ…」
「すべらせないように、こうもってするといいよ」

「な、なるほど…」
「指の皮削らないようにね」
「アカネちゃんソレ本気で怖いってばよ…」



顔を青くして不安げなナルトを見てつい笑ってしまった



「冗談よ」と誤魔化したけれど「冗談に聞こえなかったってばよ!?」とバタバタするナルト



こういうトコ見てると無邪気で可愛いなって。
ナルトも子どもだなって思う(人のこと言えないけど)



お米を炊飯器にセットしてナルトと一緒に野菜を切り始める



「ジャガイモ切ったら灰汁抜きするから水の入ったボウルに塩を少々入れておくの」
「あく抜き?」

「苦みや渋みを取るのよ」
「なるほどー…アカネちゃんってば何でも知ってるってばよ」

「自炊してたら憶えていくよ?」
「オレってば自炊苦手だってばよ」

「憶えて帰りなさい(笑)今度は玉ねぎね」
「ううッ…目に染みるってばよ…」

「我慢して頑張るのよ」
「な、泣いてなんかねぇぞ…」

「意地張ってて可愛いね、ナルト」
「んな訳ねぇってばよォ!?」




涙で目がうるるんだよ…
この小動物可愛い
キュンキュンします…



無事、野菜を切り終え、次はお肉を切っていく




「コレ切りにくいってばよ…」
「カレーは牛肉の方が旨みが出るのよ」
「そおなのかァ?」
「文句言わずに切るのー」
「わ、わかったってばよ…」



何気にほとんどナルトにさせてる訳なんだけれども


不器用に切ってある野菜もナルトが頑張って切ったものだと思うと可愛いと思ってしまう




「じゃあ今度はなべで炒めていくのよ」
「…いい匂いがしてきたってばよ!」



こうやってね、っと御手本を見せるとナルトが「オレがやるってばよ!」と気前よく言ってきた


料理に興味を持ってくれたのか、私は嬉しくなった。



「焦がさない様になべの底までキレイに混ぜて炒めてね」
「了解だってばよ!!」



ルンルン気分のナルトとなべの具合を見ながらカレー皿とスプーンを洗っていく



「アカネちゃん!良い具合になって来たってばよ!」
「んーじゃあ隠し味と水を入れようか」
「隠し味?」
「美味しくなる秘密!」




ナルトには見せないようにそっとなべの中に入れる



「アカネちゃん何入れたんだってばよ?」
「んんー、秘密」
「ずるいってばよ!!」




ずびしぃっとナルトに激しく突っ込まれるけど気にしない←




「次は水入れマース」
「…(スルーされちまったし)」

「しばらくフタして煮るの。ニンジンやジャガイモに串が通ったらカレーのルウを入れて終わり」
「…なんか楽しかったってばよ」
「本当に〜?」
「もちろん!アカネちゃん教え方上手いし、あっという間だったってばよ!」
「ナルトってば嬉しいこと言ってくれるじゃんー」




よしよしと頭を撫でてあげると「ヘヘヘッ」と笑うナルト




カレーが出来るまで居間で待機することに。




「私がいない間、ナルトは何してたの?」
「大人しくアカネちゃんが帰ってくるのを毎日待ってたってばよ」



アンタは飼い主を待つ子犬か。
可愛いじゃないかバカヤロウ…



「アカネちゃん?何ニヤニヤしてるんだってばよ?」
「あ、いや、何でもない」



不思議そうに顔を覗きこまれて我に返る



「待っててくれてありがとう」
「結構寂しかったってばよ」
「ごめんね、ナルト」
「だからオレってばアカネちゃんを一人にしないって決めたんだってばよ」



ニカッと笑うナルトにキュンキュンする私。



…なんだろう?
ナルトって弟みたいで可愛い
危なっかしくて目が離せない。

そんなことを言ったらきっとナルトは怒るだろう



「アカネちゃんはアカデミーに来る前は何してたんだ?」
「良く憶えてないけど…あちこちの里に行ってたよ」

「えええぇぇぇええ!?アカネちゃんってば元々木の葉じゃねぇのか!?」
「元々藤宮一族は木の葉だよ」

「え…、んならどうして…?」
「そこの記憶は曖昧でよく憶えてないんだよね…。砂隠れの里には結構滞在してたかなァ」
「どーして?」
「さァ?でもソコでたくさん実践的な修行してたなァ」
「アカネちゃんってば色んな事経験してるんだなー」
「そんな事ないよ。砂隠れには大切な友達がいるんだァー…
私が木の葉に行くことになって離れ離れになってしまったけれど…また会いたいなー、元気にしてるかな…」



我愛羅



あの子も一人だった
一緒に居れなくなったけどどうしているのかな
ちょっと心配…



そんなことを考えているとナルトが抱き付いてきた



「な、ナルト?」
「アカネちゃんはもうどこにもいかないよな?」
「え?」
「アカネちゃんは木の葉から居なくなったりしねぇよな?
…オレってばアカネちゃんが他の里に行っちゃうなんて嫌だってばよ…」




あの子もそう言って泣いてくれた
行かないでと声を枯らしてまで…



ナルトもあの子と同じで…



「大丈夫。どこにも行かないよ」



そう言って彼を抱きしめた





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