徒然なるままに

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「今日の授業は【生け花】です!」






うわ、私が苦手な授業だ…






今日のアカデミーは一味違う。
男女分かれての授業だ


時々、こんな授業がプログラムされる


私たちくのいちはいつも生け花とか茶道とか良くわからないものをする。
男子は一体何をしているのだろう?




正直、男女わかれる時の授業は苦手である
こんなんやって、将来何の役に立つというのだろうか…




まぁ。アカデミーNo.1のサスケがいない分、黄色い声援を聞かなくていいのはラッキーなのかもしれない






「それでは各自、思い思いの花を集めてきてください」
「「「「「はぁーい」」」」」





ってことで、私たちがいるのは花畑。
女の子たちは仲がいい子同士であちこちに散らばって行った





――――私、重要なことに気づいた。

女友達一人もいねぇ…!!




はぁー、こういう時友達って大切だよね。
私の分も選んで来てって言えるのに







花を取りに行く気にもならず、私はその場にあった草をむしり始めた。




…やばい、草むしり楽しい。





黙々と草むしりに励んでいると、パーマのメガネ女教師が声をかけてきた





「藤宮さん!何をしているんですか!」
「花の採集を…」

「生け花には使えそうもない雑草ばかりじゃないですか!」
「失礼な!雑草だって生きています!」



確かに使い道ないけど。



「茎がしっかりしていないと生けられませんよ!藤宮さん!」
「わかりましたよー、採ってくればいいんでしょー」




渋々立ち上がる




「日向さんのように、おしとやかで美しい花々を集めてきてください」
「ひゅーがさん?」



珍しい名前だな。



「ひゅーがさんって誰ですか?…それより私、どんな花をとればいいの分からないんですよね」
「あなた、日向ヒナタさんを知らないの?」
「転校してきて間もないので」

「まぁ、良いでしょう。そこの木陰で一人、採集している子がいるでしょう?」
「あ、はい」

「彼女の作品はおしとやかであり、くのいちの力強さを感じさせる作品ですの。
花の採集や作品のアドバイスが欲しいのなら、日向ヒナタさんのところに行くといいでしょう」
「は、はぁ…」





この女教師はヒナタちゃん推しらしい。
…まぁ、せっかく紹介してくれたし、新しい友達が出来るチャンスかもしれないし







私はヒナタちゃんの方へと歩いていく
彼女は黙々と採集していて私に気付いていない様子




…おかっぱっぽい髪型だけど、サラサラしていて…色白だし、女の私から見ても可愛い女の子だと思う





ヒナタちゃんに興味が出てきたかも。

いや、しかし…なんと声をかけたらいいのか…






「ヒナタちゃん」
「ひゃッ!!」





声をかけると驚いて尻餅をついたヒナタちゃん




小動物だよ!この子!
超可愛いんですけど!!!

だが、落ち着け、落ち着くんだ!私!

このテンションで話しかけたら第一印象は最悪だ。
変人だと思われてしまう…!





ひと呼吸置いて、彼女に手を差し出す。






「よかったら、私の嫁になってください」







このとき私は第一印象が変人であると確定した。









******








「ごめんね、ヒナタちゃん…」
「う…ううん…、大丈夫…だよ。少し…ビックリしただけ、だから…」





なんだかんだで二人で花の採集をすることになった。




うわぁぁー…、私絶対ヒナタちゃんにドン引きされてるよー…




「アカネちゃん…だよね…?」
「あ!うん!藤宮アカネってーの!」

「アカネちゃん…有名、だもん…ね」
「え?有名!」





…あぁ。
この間キバが言ってたやつか

ってことは、私印象悪いんじゃ…





「う、うん…。アカネちゃん…すごいよね。
…あのサスケ君との組手…見てて、そう思ったの…」
「ヒ、ヒナタちゃん!!」






噂じゃなくて、ちゃんと自分の目で判断してくれたんだ。
…ちょっと嬉しいかも。



ヒナタちゃん良い子





「み、みんなは…アカネちゃんのこと…色々言ってるけど…わ、私は…そんなんじゃ…ない、と思うの…」
「ありがとう、ヒナタちゃん」



なんか照れちゃうな。



「私もヒナタちゃん可愛いし、めちゃくちゃ良い子だなって思う!」
「そ、そんなこと…ないよッ」





ヒナタちゃんはうつむいた






「私…、アカネちゃんみたいに強く…ないし、修行しても…ダメだし…実技演習も…苦手、だし…」

「ヒナタちゃん、自分と他人を比べちゃダメだよ」
「えッ」


「私は強いっていうけど、そんな事ない。
ヒナタが苦手なものがある様に私も、この授業が苦手だし…
それに、他の人とは同じじゃない方が良い事もある。
例えば、ヒナタちゃんが噂とかそんなんじゃなくて、私をちゃんと見てくれているとことかすごくいいところだと思うんだよね!
他の子は、話してもいないのに八つ当たりとかしてくるし」
「そ、そうなんだ…」


「私とヒナタちゃんを足して2で割れば丁度いいかもね」
「…アカネちゃん…」






初めてヒナタちゃんが微笑んでくれた

この子は天使だ!!
この笑顔に癒されるわ!




「だからさ、アカデミーも二人で頑張れば卒業できるよ!!」
「そ、そうだね…」

「私の苦手なものはヒナタちゃんに頼るから。
ヒナタちゃんも私を頼って!」
「う…うん…、ありがとう…アカネちゃん…」






えへへと二人で笑いあう。





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