徒然なるままに

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※ナルト視点



せっかくアカネちゃんと一緒に手裏剣修行を行おうと思っていたのに
アカネちゃんがいない


アカネちゃんのクラスの女子に聞いてみれば「知らない」の一点張り



――――なんなんだ、コイツら。

ニヤニヤしてっし。
気味悪いってばよ


しかもいつも以上にサスケに対して女子の声援がうるさいってばよ





「よォ、ナルト!一緒に手裏剣修行やろうぜ」
「お前ってば…キバかよ」
「なんでそんなに残念そうなんだよ、いいじゃねぇか!」
「あー、はいはい。仕方なく組んでやるってばよォ」
「なんだとォー!?人がせっかく下手ルトと組んでやろうとしてやってんのに!!」
「下手ッ…!?…ちくしょー!!今に見てろっ!」


ギリギリギリ…っとキバと睨みあう。
…相変わらずコイツってば犬臭いってば…

――――アレ?



「キバ、お前いつも連れてる犬どうしたんだってばよ?」
「んぁ?赤丸か?…それがよォ、演習場に来た途端どこかに行っちまってよォ…」
「…お前ってば、赤丸に嫌われたんじゃねぇの?」
「バカ!!オレと赤丸は相棒なんだぜ!?そんな訳あるかァ!!」
「そう思ってんのはキバだけだったりして」
「なにをォ!?」
「やるのかってばよ!!?」


再びキバとの睨み合いが続く


「ナルトォ!お前いつからそんなに口が悪くなったんだよ!」
「…え?そうか?」
「なーんか、イライラしてんのか?
…あー!!わかった!!好きな女と組めなくて落ち込んでたんだろ!?」
「んなッ!!そんなワケあるかァ!!」





まぁ、でも。
アカネちゃんと組みたかったのは事実だし…
あながち間違ってはいないのかも知んねぇ…

どこにいったんだってばよォ…
アカネちゃん…




「ナルト、お前今日おかしいぞ?いきなり怒鳴ったり、落ち込んだり…とうとうバカが爆発でもしたか?」
「うるせーな!余計なお世話だってばよォ!!」



キバなんかにオレの気持ちがわかるかってばよ…




――――ドン!!!




急に背中に衝撃が走る


「痛えぇぇぇええぇぇぇ!!!」




オレってば、多分、今エビ反り状態でその衝撃を受けたってば…

そのままくるりと一回転して、顔面から着地した。
イテテ、鼻が削れたってばよ…



後ろを振り向けば、ちょこんと赤丸が座っていた



「ワンワン!!」
「おー!帰ってきたか!!赤丸!」
「…(なんでオレにタックルしてきたんだってばよ)」


キバってば赤丸を抱っこして頬ずりしてっし




「ワン!」
「でッ!!」


赤丸がキバに頭突きした




「ぎゃはははは!!ざまぁみろってばよ!!」
「イデデ、どうしたんだよォ…赤丸」
「ワウウー」


キバのもとから離れた赤丸は、キバの手裏剣ホルスターを咥えて走っていく



「あ!!ソレ持ってったら授業受けれねぇじゃねぇか!どこに持って行ってんだよーー!赤丸ッ!!」


キバも赤丸追いかけて行くし…
な、なんか嵐みたいな奴等だってばよ


はぁぁー、オレってばどっと疲れたってば…








******
※サスケ視点




「あ、あのッ…サスケ君。よかったら一緒に組まない?」
「断る」


「あのね、あたしはサスケ君に手裏剣教えて欲しいなァ」
「そんなモン教師に習え」


「私ィ、上手く的に当たらなくてェ」
「修行しろ」


「私、サスケ君と一緒がいいのー♡」
「興味ない」




全く…なんだコイツらは
―――いつも以上にしつこいぞ

それに、どうしてこんなにテンションが高いんだ
イライラする…




「ねーえ!サスケ君ッ!」
「お前ら失せろ」
「「「「きゃあああああ♡」」」」
「……」



瞬身の術で身を隠せば
「んも〜う♡サスケく〜ん♡どこなの〜!?」
という声がした








―――目障りだ



オレが組みたいのはお前らなんかじゃねぇんだよ

どこにいるんだ、アカネ…

辺りを見ても、やる気のないアイツはいなかった




…少々癪ではあるが聞くしかねぇか…。





「おい、そこのお前」

「え!?あ、あたし!?」
「きゃー!!サスケくぅん♡」
「サスケ君は私に声をかけたのよ!」



一言話せばいつもこうだ
ウンザリくる



「アカネはどうした」

「え、藤宮さん…」
「そっ、そんなの知らないわッ」
「いつも遅刻してるから、今日もそうなんじゃないかしらァ?」
「そんな子より、私たちと組みましょうよ!」
「そ、そうよ!いないんだしさァ…!?」




アカネの名前を出しただけでこの動揺は可笑しすぎる
こいつ等、何か隠してやがる




「お前らには興味ない。アカネの事を聞いている」

「知らないってばァ」
「そ、そうよ!サスケ君も藤宮さんにこだわらなくても…」
「私たちと一緒の方がサスケ君も楽しいに決まっているわ」
「あんな子!サスケくんの害虫なのよ」
「そうそう、サスケ君に媚びっちゃってさ」
「サスケ君の邪魔して」
「昨日だって、サスケ君滅茶苦茶にされてたじゃない」
「あんな子いなくなっちゃってもいいのよ」
「そーよ、サスケ君の幸せのためにもさァ」




こいつ等、アカネに何の恨みがあるというんだ

アカネは人に対して攻撃的なやつじゃない








――――私がサスケの相手になるよ





オレを心から理解しようとしてくれた
歩み寄ろうとしてくれた



こいつ等は…本当のアカネを知らない。
むしろ邪魔者扱いしている





「サスケ君もあんな子と絡んでたらロクなことがないわよ」
「藤宮さんなんて、サスケ君の側にいない方が良いのよ」
「アカデミーに来なくていいの」





許せねぇ…






「ねぇ!サスケ君!」

馴れ馴れしく腕を組もうとする女を振り払う





「失せろ」

「え…」
「どうしちゃったの?サスケ君…」



「アカネはお前らとは違う

「サスケ君?」
「お、落ち着いて…ね?…」





「お前らがアカネをどう思っていようと
オレには関係ねぇ。だが…






――――アカネを傷つける奴は許せねぇ
オレの敵だ、容赦しねぇ」






睨み付けると、もうそいつらは何も言い返しては来なかった






「おーおー、大好きなサスケ君の敵になれるなんて最高の幸せじゃねぇか」
「――――ッ!」
「シカマル」
「よお、サスケ。お前のお陰でオレもスッキリさせてもらったぜ」
「どういう意味だ」




さっきの一部始終を見ていたらしく、シカマルとチョウジがオレの横に並ぶ





「昨日はどーも、サスケファンの方々よォ」
「な、何よ、アンタ」
「昨日の威勢はどうしたんだよ、次会うときは容赦しないんだろ」
「―――ッ」
「オレと、アカネにはな」

「どういうことだ」
「オレじゃなくてコイツらに聞いたほうが早いんじゃねぇの?」





オレはこいつ等に絡まれていたアカネを助けただけだからよ

そうシカマルが言った後、そいつ等の顔が青ざめていくのがわかった。









「……」
「ち、違うのよ、サスケ君ッ」
「私たちは藤宮さんに忠告しただけなの」
「…」
「忠告ねぇ、どんな?」
「そ、それは…」
「アカネに手をあげることがどんな忠告かって聞いてんだよ」
「ッ…」




アカネに手をあげた?

シカマルが言ったことはどうやら間違いではないらしく、そいつらは言い返しもせずにただ怯えていた





「私たちは…サスケ君の為に…」
「へぃへぃ、お前らの言うサスケの為はサスケにいいことはねぇんだよ」
「むしろ、君たちの恋敵のアカネちゃんをどうにかしたいが為の言い訳なんだよね」
「もういい、シカマル、チョウジ」
「サスケ君…」




オレが止めれば、そいつ等はオレに懇願するような視線を送ってきた
―――だが。





「お前ら、本気でウザいよ」
「…ッ!」
「もうオレとアカネに関わるな」
「―――…ううぅッ…、」
「次はねぇぜ」





女たちがしくしく泣き始めた
オレは元々コイツらに興味はない。


オレはその場を離れた












******
※シカマル視点



――――ったく。
オレが言うより、サスケの言葉が効果覿面だったみたいだな



ってか、急に泣き始めたし。
こいつ等、自分たちがやった事わかってんのか?



全く、女ってのはめんどくせー。
サスケの奴、泣かすだけ泣かしてどこか行きやがったし




この状況どうしろってゆーんだよ





「あー!!シカマル!!女の子を泣かしたわねー!!?」
「はぁ、超めんどくさいのが来たし」
「い、いのォ…」




いのが怒鳴りながら来た


しかも、その女たちに大丈夫?とか言って慰めてるし




「どうしたの?シカマルに何かされたの?」
「う…ううぅッ…」





答えれるワケねぇだろ




「ったく、なんでオレらが女を泣かさねぇといけねぇんだよ」
「そうだよ、ボク達が女の子を泣かせる理由なんてないよ」



まぁ、そいつ等の言葉で言えば
「忠告」しただけなんだけどな

…主にサスケが。





「じゃあ、どうして泣いてるのよ」
「そいつ等に聞いても無駄だと思うぜ」

「なによ、シカマルは泣かした犯人を知ってるってワケ?」
「まぁな」
「でもいのは信じないと思うよ」
「いいから!さっさと教えなさいよー!!」




教えるだけ無駄だと思うんだよなァ
オレはチョウジと顔を合わせて溜め息をした




「「サスケ」」
「アンタ達何バカなこと言ってんのよー!!
サスケ君がそんなことするワケないじゃない!!」





ほらな。
こうくると思ったぜ



オレとチョウジは二度目の溜め息。



まー、でも。



これでアカネはアカデミーを過ごしやすくなったな

がらにもなく気張ってしまったぜ。





…また笑ってくれよな、アカネ。







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