徒然なるままに

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「全く…放課後掃除はサボるわ、昼休みに呼び出してもすっぱかすわ…
滅茶苦茶ですな、藤宮さん」

「は、はぁ」



放課後、私は昨日のインテリ教師に呼び出されていた


昼休みに呼ばれてたのか。
超初耳。全く知らなかった事実だわ




「他の生徒に掃除をさせるとは何事ですか!」
「ナルトをいじめていた奴らに、私からの愛のある制裁を行ったまでです」


すると、インテリ教師の目つきが変わった
…気がした



「ナルト君ですか」
「集団リンチは反則だと思います」




やっぱり変だ
ナルトの名前を出すだけで、こんなにも態度や表情が変わるなんて。

…これがナルトの言っていた「その目」なのか…
とても冷ややかな視線
こんなものが自分に向けられていると思うとゾッとした





「…まぁ、良いでしょう…。今後は気を付けるように」
「は、…はぁ」



そして間もなく私は解放された











******





「お前、藤宮アカネっていうんだろ」
「はぁ、まぁ…そうだけど」
「昨日はよくもやってくれたな!」
「散々バカにして!」
「水浸しにしやがって!」



どうして私はこうも集団に絡まれやすいのだろうか


インテリ教師の説教?を終えて、昨日いけなかったスーパーのタイムセールに向かっていると囲まれ、
そしてそのまま近くの公園に連行された



どうやら昨日ナルトをイジメていた少年五人組らしい


…いや、それよりも、私はセールの卵を買いに行きたくて仕方ないんだけど
こんな奴らを相手にしている暇はない



「それより私、タイムセールに行きたいんだけど。そこ退けてくれない?」
「んなッ!」
「テメェッ!!」
「ふざけるな!!」
「行かせるわけないだろ!!」



うーん、交渉決裂。
行かせてはくれないらしい
んー、困ったなぁ…



「このブス!」
「調子に乗ると、お前もあの化け物も痛い目にあうぞ!」



…はあ?
私の文句はスルー出来ても(大人の女性対応)
なんでナルトが関係あるわけ?



「ナルトは関係ないでしょ」
「お前とは同罪だ」
「意味わかんねぇし」
「バカにはわかんねぇんだよ」

「私とナルトが何したってゆーのさ」
「二人して目障りなんだよ」
「じゃあどうしたらいいんですか」
「そうだなぁ…おとなしく俺たちの下僕になれ!」




何このドS発言。
アカネちゃんドン引きだわあ…






「そんなこと無理です」
「なんだと!?」
「人権侵害で訴えてやる」
「はぁ!?」



アカネちゃん怒っちゃうぞ
…シカマルにはケンカは止めて、大人の対応をしろと言われたけど…
これはナルトを守る戦いだ←
仕方ない事なんだ


そう言い聞かせて






「暴力的な人は嫌いです」
「!」





少年A(仮名)に向かって走る
突然のことに驚いているのか、Aくんは全く動かなかった









「木の葉秘伝体術奥義!!!!」
「!」
「木の葉崩しィィィィィ!!!!」











私は少年のズボンを勢いよくおろした
そう、勢いよく。


ジャンプして勢いよくおろした
その際、私は彼のパンツを見ないように頭を下げ、地面を見る

私の視界は地面、少年の足、ズボンが見えるはずだった



――――はず、だった。



よく見るとズボンともう一枚の布が目についた





「ぎゃあぁっぁぁあぁあぁぁぁ!!!!」







「てめぇ!何て事しやがる!」
「いや、あの、そのー。これは誤解だよ!」
「パンツまでおろした奴に何の誤解があるっていうんだよ!!」



いやいや。
私も驚いているからね
まさかパンツまで下ろしてしまうとは…
Aくん、パンツのゴムが緩いぞ!!←




泣き叫んで走り出すAくんに
「ズボン、いやパンツを上げろおぉぉぉ!!」と慌てて4人が追いかけて行く





藤宮アカネ完全勝利である。

1人、ファイティングポーズをとる
…なんだか、虚しくなってきた。



1人でファイティングポーズを続けていると、後ろから「木の葉秘伝体術奥義ねぇ…」と声がした
振り向けば、お面をした二人が立っていた




…やばい
見られてた。

これじゃ私が破廉恥ガールと勘違いされてしまう
それだけは阻止したい。


「いや、あれは正当防衛ですよ」
「うん、知ってる」
「全部見ていた」



見られていた
しかも全部。



おう…マジか
それなら何を言っても理解してくれるはず



「アカネは仲間思いなんだな」
「えッ」
「仲間思いの破廉恥ガールね」
「オイ、コラテメーどういう意味だ」


おっと、思わず口が滑ってしまった←
しかし、若干一人理解してもらえなかったようだ…

いかんいかん




「それより、お面サンたちは何故私の事知っているんですか?」
「あぁ、それはだな「ンフフ~…それは秘密♡」」


この若干1名のお面ヤローをはっ倒してやりたい←
ちょこちょこカチンとさせるよね、この人。



「…あんまりからかうと可哀想ですよ」
「んー、それもそうだね」
「あなた達いったい何者なんですか?」


そう尋ねれば「まっ、アカデミー生だから良いかな」っとお面を外してくれた



「アカネちゃんだけ特別ね」


キラキラした綺麗な銀髪にオッドアイとでもいうのだろうか…
黒い瞳と赤い瞳に大きな傷。
そして、顔の半分以上を隠す大きなマスク…



「顔の半分以上をマスクで隠すような変態に破廉恥だなんて言われたくないです」
「酷いなァ…変態じゃなくてカカシさんって呼んでね」
「わかりました、さんさん」
「いや、カカシが苗字で、さんが名前じゃないからね?カカシが名前だから」
「仕方ないなー、わかりましたよ、カカシさん」
「なんで渋々なのよ…アカネちゃんってば冷たいなァ」
「カカシさんの日頃の行いを考えてみればわかることです」


私をからかった罰だ。


そんなやり取りをしていると、もう一人のお面さんはクスクスと笑っていた



「オレは外す必要はないかもしれないな」
「え?どうしてですか?」
「アカネとは一緒に新聞配達をした仲だからね」




―――――それって、もしかして…





お面を外すと、その顔は朝私を救ってくれた王子様



「イタチさん!!!」
「アカデミーは楽しかったか、アカネ」


思わずイタチさんに抱き付く
イタチさん…いい匂い。
抱き付いてきた私によしよしと頭を撫でてくれる


もう神対応過ぎて鼻血が出そうです、私。





「えー、なになに?アカネちゃん
オレにはハグしてくれないの?」
「イタチさんはカカシさんと違って質が違うんですよ!神です!神!
…カカシさんのような変態は遠慮します。心から」


「なにそれ…アカネちゃん、オレだって何気に傷つくよ?」
「カカシさん、アカネに嫌われちゃいましたね」

「いいや!違うよ、イタチ。きっとアカネはオレに照れてるから素直になれてないだけなんだよ」
「頭の中がとても幸せそうですね、さんさん」




こんなに頭の中がめでたい人は初めてだよ、私。





「イタチさん、あの人(色んな意味で)危ないよ」
「あぁ、知っている。気を付けるんだぞ、アカネ」

「もしもの時はイタチさんに助け「なーに二人で話し込んでるのよ」」



ずぃぃ、っと間にカカシさんが入ってきた
ちくしょう、せっかくイタチさんにくっついていたのに。
邪魔されてしまった




「カカシ変態邪魔です」
「ま!アカネちゃんってば悪い子!」
「ギャー!離して!!」



カカシさんが私を後ろから抱きしめる
そそそそそそんなことしてたらイタチさんに勘違いされてしまうじゃないか
変な目で見られちゃうじゃないか!!





「二人とも仲良しですね」
「んな!」(ガーン
「でしょー?アカネちゃんってば照れ屋さん!」




仲良し仲良し仲良し仲良しnkys…(ループ
そんな笑顔でイタチさんに言われるとは…
ガーンという効果音とともに仲良しというセリフが脳内リピートを繰り返す



「…って、ちょちょちょ、イタチ何してるの?」
「いい加減、アカネを離してください、カカシさん」
「ダーメ!アカネちゃんはすごくいい匂いがするし、抱き心地がいいんだからー」


なんか二人が言い合っているけど…
私の耳には届かなかった

――――仲良しかぁ…









「あぁっぁぁぁ!!!!!!」
「「!」」
「どうした!アカネ!」



公園の時計を見ればもう18時





「買えなかった…」
「何を?」
「終わっちゃった…」
「「?」」


「タイムセールのたまご…」

「「…………」」




本日最大のイベントがぁ…




「アカネちゃんたまご欲しかったの?」
「うん」
「今日じゃないとダメなのか?」
「うん、安売りの卵…」

「「「…………」」」



「ほら、カカシお兄ちゃんが買ってあげるから元気出して!ね?」
「カカシさん大好き!」
「アカネ、カカシさんにたまごで釣られているぞ」

「は!私としたことが…幻術を…」
「コラ、二人ともなんてこと言うのッ」






――――その後、なんだかんだで二人から卵2パックを奢ってもらい、私は上機嫌で家に帰った
カカシさんとの絡み、初対面だったけど結構楽しかったかも。
イタチさんは相変わらず、神だったなぁ…







******




pm20:00
火影室

「んー、まッ、なんというか…
見た目は子供でもオレの知っているアカネちゃんには変わりありませんでしたよ」
「やはり、オレたちの事や昔の記憶は失われているようですね」

「…そうか。」

二人の報告に安堵を見せる三代目。



「ま、藤宮の血がそうさせているんでしょ?…アカネちゃんを守る為に」
「だといいんですけどね」
「どちらにしても、今のワシ等にはアカネを見守る事しかできないんじゃ。
深くかかわればアカネ自信が辛い思いをするじゃろう」
「…わかっています」




だから、こうやって。
アカネを見守っていくことしか、
オレらにはできない
彼女の為にも…






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