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□Pottermore Sit-Com Time(1)
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「やっとホグズミード駅ね!ホグワーツに着く前にみんなのクリスマス休暇中の話を全部聞いちゃうところだったわ。」
「パンプキン先輩ー!久しぶり〜」

いつもより賑やかなホグズミード駅。今日はホグワーツの生徒がクリスマス休暇から帰ってくる日なのだ。
ちなみに今、「パンプキン先輩」と呼ばれていた少女は ネイチェル・ハンキンズ。グリフィンドールの4年生である。なぜ「パンプキン」と言われてるのかはまた後で。
そしてもう一人の少女はミミリー・ベティ。ハッフルパフの3年生。(※ここからは登場人物のセリフの前には名前を入れます)

「だから、パンプキンって呼ばないで!」
「冗談だよ〜、本当の苗字は…"ハスキーズ"でしょ!」
「…ハンキンズだって。」

自信ありげに言うが結局間違っているミミリー。彼女はいわゆる天然ボケなのだ。
的外れな発言が多く、周りを困惑させることもしばしばある。

「ネイチェルにミミリー!クリスマス休暇は楽しんだか?」

コメディドラマのようなやり取りをしている二人に声を掛けてきた彼はジーン・アルジャーヌ。グリフィンドールの7年生である。
クィディッチチームのチェイサーであり、彼に憧れる後輩、好意を寄せる女子も少なくない。

「ええ、楽しんだわよ。ジーンはどうだった?」
「こっちもいいクリスマスを過ごしたよ。今年は親戚も何人か訪れてきて賑やかになったな。」

ジーンは懐かしむように休暇中の話をした。

「私はクッキーをたくさん食べた!あ、後ね、面白いもの見つけちゃった!」

そう言ってミミリーがカバンから取り出したのは…

「ぬいぐるみ?」
「カウボーイユニコーン!ユニコーンがカウボーイハットを被ってるの!アハハ〜普通の馬じゃないんだよ〜!」
「へ、へぇー…」

反応に困っているネイチェルとジーンを全く気にせず、ミミリーは一人楽しそうにしている。

「ジ〜ン?ま〜た女の子を口説いてるのかなあ?」

ジーンがビクッとして恐る恐る後ろを振り返ると…

「ジ、ジェナ…!」
「休暇直前も同学年の女の子に告白されてたじゃない。それでもさらにモテたいの?イケメンだからって調子に乗ってたらまた恥ずかしい話するわよ?」

ジーンが振り返るとそこにいたのはジェナ・ベル。ハッフルパフの6年生。ジーンとは家が近所で昔からよく遊んでいた。
ジーンは5歳から3年ほどインドに住んでいたが、イギリスに戻った後は前と変わらずジェナとは仲良くしていた。

「口説いてなんかないよ。久しぶりに会った友達に挨拶してただけだろ!?」
「あーはいはい。それより、持ってきたお土産多いから運ぶの手伝ってくんない?」

ジーンの説明をジェナは軽く受け流す。

「何でそんなに…」
「お母さんが料理教室に通い始めたから張り切ってごちそうを作りすぎたの。それと他の荷物を合わせたらこんなになっちゃった。」
「そういえばうちの親もそんな話をしてたな…。あ〜、…じゃあそっちの紙袋を貸して。」

ジェナの荷物運びを手伝うジーン。こんな優しいところも彼がモテる理由の一つだ。

「じゃ、二人ともまたな!」
「後で話そうね〜」

そう言ってジーンとジェナは学校の方へ歩いて行った。

「あ!ねぇ!ちょっと待って〜」

今度は遠くから呼び止めるような声がした。その方向を二人が見ると、一人の少女が小走りでやって来た。

「あ、キャシー。どうかした?」

キャサリン・ダンカン。ハッフルパフの6年生。

「ちょっと目を離した隙にフリンがどっか行っちゃったの。パパに目を付けておくよう言われたのに…。見かけてない?」

フリンとは彼女の弟。ハッフルパフの1年生である。

「フリンならさっき友達とWWW(ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ)で良いグッズを買ったとか話していたよ。」
「あぁ、またイタズラを仕掛ける気ね…。休暇中にママにあれだけ説教されてたっていうのに。」

ミミリーの証言を聞き、またか、という顔をするキャサリン。

「またやったの?フリンらしいっちゃらしいけど…。…またビデオ日記撮ってたりする?」
「えぇ、今回も残しておいたわ。観賞会でもしちゃう?」

キャサリンはまだ小さい妹のためにホームビデオのようなものを撮っている。フリンのイタズラもそのビデオの良いネタになるのだ。

「でもフリンのせいでハッフルパフが減点されていると考えると…ちょっと頭が痛いわ…。」
「その分キャシーが頑張っているんだから良いじゃん♪」
「ちゃんと取り戻せているといいんだけどね。でもあの子のイタズラがスケールアップしたらどうしよう〜?」
「キャシーがしっかり目を光らせておけば大丈夫だよ。」

ミミリーが励ますもののキャサリンは心配そうな顔をする。
彼女がそうなるのも無理はない。フリンは9月からの3ヶ月半で40点の減点をくらっているのだ。

「あれ、あのくるくる回りながら歩いてる子は…サマンサー?」
「?あ、やっほ〜!」

ネイチェルが呼んだ少女はサマンサ・ゲイル。スリザリンの2年生。緑のリボンがトレードマークだ。

「踊りながら歩いてるようだったけど、危なくない?」
「え、何の事?あ、そっか。考え事してるうちに踊っちゃってたみたい。」
「考え事って?」
「今年の年越しはどうやって過ごそうかなーって!色々考えてるうちに楽しくなっちゃったの!」

サマンサは気分の上下が激しい子で、楽しい考え事をしていると無意識に鼻歌を歌ったり踊っていたりすることもある。

「サマンサは相変わらずね〜。でも年越しに何もしないのは確かに寂しいわね。なむなむなむ委員会で何か考えない?」

キャサリンはそう言い笑った。
彼女が今言ったなむなむなむ委員会とは5年前に設立された委員会である。イベント企画をしたり、校内の色々な団体をまとめるのが主な活動内容だ。
ネイチェル、ミミリー、ジーン、ジェナ、キャサリン、サマンサ。学年も寮もバラバラなこの7人のつながりはこの委員会である。

「やったー!」
「楽しそう!」

ネイチェルとミミリーも賛成し、みんなワクワクしたような様子になる。しかしなぜかサマンサだけは不安げな表情をしている。

「あ、ところでみんな盛り上がってるとこ申し訳ないんだけど…ここでのんびりしてちゃまずいかも。」
「…?」

サマンサの不安げな様子の意味が良く分からず3人は少し戸惑った。

「ほら、私って雨女でしょ?でも今は冬だから…」

サマンサがそう言い、周りを見渡すと、雪の降り方が先ほどより激しくなってきたのに他の3人も気づいた。

「あー、これだから来年からのホグズミード行きには傘を常備していこうってみんなで話してたんだった。」

キャサリンは苦笑いをした。

「さすがサマンサっていうか…。とにかく早く学校に行っちゃいましょ。」

一同は学校までの道を急ぎ、その後各自の寮へ向かっていった。
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