復刻版「正義の紳士(ジェントルマン)」

□新たな事件
1ページ/3ページ



翌日の朝、コナン達は朝食を食べながら、朝のニュースを見ている。もちろん真優も一緒だ。

『続いてのニュースです。今朝未明、杯戸町で男性の射殺遺体が発見されました。男性の名前は、朝野京介さん35歳―』

何気なくニュースを見ていた真優が、映し出された被害者の顔を見て目を見開いた。

「この人…」

真優の様子を見たコナン達は、声をかける。

「真優姉ちゃん、この人の事覚えてるの?」

「え…。な、なんとなくだけど…知っている様な気がするの…」

真優はずっと男性の写真を見ている。

小五郎に電話がかかってきたのもちょうどその時だった。


ーーーーーーーーーーーー

警視庁の大会議室で行われていた捜査会議に小五郎も出席した。

「早朝殺害された、朝野京介は、7年前にひき逃げ事件を起こしていた。そして、その被害者は―中里龍司さん、当時33歳。先日の爆破テロの重要参考人である、中里真優の父親だ―」

三屋の説明に、会議室がざわめく。
目暮が咳払いをすると、会議室は元の静けさに戻った。

「1課は、事件発生時の目撃情報及び被害者についての詳しい情報を得る様に!」

「3課は、7年前のひき逃げ事件についての再捜査及び、引き続き爆破テロの捜査に当たってくれ」

1課と3課のトップがそれぞれ指示を出して捜査員が動き出した。

「また1つ首を締めたな」

三屋は、あえて小五郎に聞こえる様に呟いた。

小五郎は三屋の胸ぐらを掴んだ。

「まだ真優ちゃんが犯人と決まった訳じゃねぇ!あんたが真優ちゃんに不利になる様に仕向けてるんじゃねぇのかっ!?」

三屋は小五郎の手を振り払った。

「冗談は止めて戴きたい。私にそのような事をするメリットなんて無い」

「龍司くんの事で、真優ちゃんを恨んでいるんじゃねぇのか!?だから、お前は…」

『龍司』という言葉で、三屋の瞳に影が落ちた。そして、何も言わず、会議室を後にした。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ