復刻版「正義の紳士(ジェントルマン)」

□疑いの目
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爆破テロ未遂事件の後、真優は、東都警察病院に搬送された。

頭から出血していて心配されていたが、幸いにも、数針縫う程度で助かった。後は意識が戻るのを待つのみとなった。

事件の事を聞いて駆けつけた小五郎と、コナン達は病院の会議室を借りて事情聴取を受けていた。

「じゃあ、爆弾を仕掛けられた男性は、何者かに襲われて、残されたメモを頼りにあのショッピングモールにたどり着いたのね。」

佐藤がメモを取る。

「そして、爆弾を解除したコナンくんは、爆発音のした階に向かって、そこで真優ちゃんが倒れてるのを見つけたんだね?」

高木もコナンに確認する。

「にしても、どうして真優ちゃんはあんな場所にいたんだ?」

小五郎が思わずつぶやくと、

『それは、彼女こそが『監視役』だったからですよ。毛利探偵。』

聞き覚えのない声に一同が扉の方を向くと、そこには、数名の部下を率いた刑事らしき男性がいた。

「目暮警部。中里真優の身柄は、我々組対3課が預かる事になりました。」

「三屋警部!どうして貴方がいるのですか!?それに今は事情聴取中ですぞ!」

三屋と呼ばれた警部は、無表情のまま話を続けた。

「爆破テロが起こった以上、我々が動くのは当然でしょう。それに、我々は事情聴取をしに来た訳ではない。あくまでも中里真優の身柄を引き渡して貰いに来たのです。」

そこに蘭が口を挟んだ。

「あの…。どうして真優ちゃんを貴方方に引き渡さないといけないんですか?それじゃ、あたかも真優ちゃんが爆破テロの容疑者みたいな言い方じゃないですか!!」

三屋は蘭を軽く睨み、言った。

「あの現状を見て、まず、事件と関係があるのは明確だろう。それに、一部だけだったが、爆破されたパソコンにハッキングをしていた形跡が見つかった。ただの女子中学生が、そんなことすると思えんが…。」

「真優姉ちゃんは、すげぇんだぞ!コンピューターなんか、チョチョイのチョイって操作しちまうんだからな!」

元太は、真優を守ろうとして言ったのだが、返って状況を不利にしてしまった。

(元太のやつ…余計な事を…)

コナンが元太を怒った目で見ると、元太はギクッとした。

「ふん。なら、話は簡単だ。目暮警部、今すぐ手配の準備を。」

目暮は仕方なく準備に取り掛かった。
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