LC蟹組

□積尸気で冥界波をマジに放ったら2
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今日は久々のオフ。
だが、デスマスクには試したいことがあった。
それは積尸気において最大の冥界波を放つこと。
前回の蟹座と死の神が夢でなかったとしたら…
亡者を背にデスマスクは小宇宙を燃やす。
「積尸気冥界波!」
再びその身体は歪んだ時空間に呑み込まれていった。


ドサッ
「いってぇ…」
一面の花…はな…花…
この前とは違う穏やかな景色にデスマスクはポカンと口を開けたまま固まった。
しかし、その間抜け面は更にアホ面へと変化を遂げた。
向こうで花飾りを作っているのはこの間見た蟹座な教皇とタナトス…の色違い。
どちらが器用かを競っているらしく、口論している。
「それではヒュプノス様のお手並み拝見…と致しましょうか」
そう言ったジシイと目があった気がしてデスマスクの心臓がドキリと血を送り出す。違う…この前の教皇ではない。
『修復師としてのわしの師は…だいぶ変わっておったからな。弟の死を隠して教皇を務めたくせに敵陣に単独乗り込んだり…』
前に見た教皇も兄の祭壇星座の聖衣だと言っていた…そうか、眠りと死の神も双子だが、シオンが使えた教皇とその師も双子だったのか…
ヒュプノスに髪を結わせている異様なジシイがデスマスクに
手招きをする。
「エリシオンも人間臭くなりすぎて…流石の貴方様もお気付きにはなられませんでしたかな」
「何?」
顔を上げたヒュプノスにデスマスクは手をあげて応えた。
「いや…ちょっと奥義しくじって迷っちまったんだ」
「…その髪色は気にくわないが、蟹座ならば仕方あるまい。どうにも蟹座とはおかしな集団よ。邪魔をせぬと約束するのならとどまることを拒みはせぬ」
ヒュプノスは視線をジシイの髪に戻すと再び結い始める。
「慈悲深いことでございますな」
「ふん。暇つぶしよ…せいぜい付き合え」
「蟹座の小僧…おぬしは何という名だ?」
「ああ?ジイさんこそ何て名前だよ。後ろの美人な神様は眠りの神…ヒュプノス様だってのは分かったが…」
「ふむ。名を聞くのであれば名乗るべきであったな。ではしかと聴き、記憶せい。我こそはハクレイ。教皇補佐を勤めし祭壇星座の白銀聖闘士ハクレイじゃ」
どーんと効果音が聞こえそうな勢いでハクレイが名乗りをあげる。
「では、改めて名を聞こうか?」
有無を言わさぬ重圧をかけてくるくせに、髪の毛には花が散りばめられていてバランスが悪い。
「俺はデスマスク。蟹座の黄金聖闘士デスマスクだ」
「死顔の面か…趣味の悪い」

「あんたんとこの蟹座も大概な名前だろ?マニゴルドだっけか?死刑執行人とはでかく出たもんだ。俺のデスマスクの方が謙虚で可愛いげがあるってもんだぜ」
「下らんな」
ヒュプノスが立ち上がる。
「そりゃ神さまからしたら下らねぇだろう。俺が見たって人間なんて下らねぇし、命なんて塵芥と同じように次々と宇宙に浮き出てくる…―」
最後まで言えないまま、デスマスクの身体は宙を舞った。
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