聖衣思念体

□蟹騒動☆
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体が鉛のように思える。
…昨日はだれとヤったんだっけ?とベッドの上でデスマスクはぼんやりと考えた。
最弱と評される自分ではあるが、それでも最高位の黄金聖闘士。ちょっとヤったくらいでここまでダルくなるのはおかしい。よほどヤり方が悪かったか、相手が悪かったか…
キョロキョロと辺りを見れば、枕元には女聖闘士が着ける仮面がある。しかし、その仮面は見間違えようもない黄金。そんな黄金の仮面をつけるような聖闘士は知るかぎり存在しない。
だいたい女とヤったにしては股に違和感がある上に、ここは死に顔の啜り泣きやうめき声がする巨蟹宮。ムードを求める女が寄り付くような場所ではないし、そもそもいくらスタイルが好くても、顔も知らない女聖闘士を抱く気にはならないし、仮面の掟に縛られるつもりはない。
まぁ、事後に顔を見たなら、愛される自身はあると言い切れるが、表情のない者に性的な魅力は感じない。だから基本的に女聖闘士はデスマスクの範疇外なのだ。
ならばこれは誰の仮面であろうか?と、疑問に思いながら、ベッドから脱け出そうとしたときだ…風呂場から寝室に向かう足音が聞こえてきた。
咄嗟に掛布を握ったデスマスク。
その前に扉を開けて入ってきたのは

「サガ…」
暗闇の髪から露を垂らすサガの姿だった。
「道理だな」
自分の体調が万全であれば、カミュやシュラ相手にこのダルさはない。
「クッククク…」
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