その他

□ただいまの後に
1ページ/4ページ

デスマスク…
シュラが服越しに内腿を撫でてきた。
…ん…シュラちゃんちょっ…待って…
その手首を捕まえると少し困ったようにデスマスクはシュラを見た。
…したい?
体調が大丈夫ならば。
ん…味覚も戻ってるしそれは大丈夫なんだけどな。脱ぐとカミュの痕がヒドイぜ?
上は脱がなくても済むが腰から腿に残る爪痕は嫌でも目につくだろう。
シュラ、気にするだろ?
いや。
絶対に気にするって!
気になど!…お前が気にしないのであれば…っ!
デスマスクを脱がし、シュラは目を見張る。
ほらな?あいつは愛しさに抱く訳じゃないらしいんで優しくねぇんだ。
散りばめられているのは花弁ではなく掻き削られたであろう幾重もの赤い筋。
これでも気にしないで俺としてくれるならどうぞ?
…お前は…どうなのだ。
寒かった。
何?
カミュは寒かった。
熱を冷やす凍気がじつは気持ちよかったと言ったらシュラはショックだろうなぁと後ろめたさを感じつつデスマスクは続ける。
だから勝手だけど俺はシュラにあたためてほしい。
勝手で構わん。俺はお前を抱きたい。お前が許すならその傷を全て俺が斬りかえたいほどに…お前を抱きたい。
…いや…斬るのは止めてくれ。瞬間は痛くなく
斬ってもらえて吹き出す血潮に温かいかもしれんが、血だるま失血コースだろ。最終は確実に冷たくなるしかないじゃねぇか!
きょとんとしながらもシュラが頷いた。
それもそうだな。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ