Once upon a time
□Once4
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「なまえは今度いつ街に行くの?」
帰り道、すっかり遊び疲れて寝てしまったエマを背中に僕は尋ねる。
『明日よ』
「僕も明日は仕事の手伝いだよ。会えるかな?」
僕がそう言えばなまえの表情が暗くなった。
「どうしたの?」
『ジャックには会いたいけど、あの場所で働いてるとこはもう見られたくないかな』
なまえは眉を寄せて僕に告げた。
なまえだって好きで働いているわけじゃない。
『今日はすごく楽しかったわ。今までで一番』
「それはよかったよ。けどこれが一番なんて思わないで」
不思議そうに首を傾げたなまえに僕は言葉を続ける。
「もっと楽しいことたくさんあるから」
なまえは「そうよね」と短く呟いて微笑んだ。
君のこともっと楽しませてあげたい。
笑わせてあげたい。
君の表情を暗くするもの全てを取り除いてしまいたい。