story
□story12
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なまえの大学生活がスタートし、なまえとはあまり会えなくなった。
兄さんもそうだったしわかってはいたけど寂しかった。
なまえとは電話もするし、メールもする。
兄さんからなまえの様子を聞いたりもする。
でもやっぱり直接会いたかった。
僕はその寂しさをロボットファイトで晴らしていたんだ。
「勝者!ヒロ・ハマダ!」
暗い路地裏にレフリーの声が響き歓声が上がる。
どいつもこいつも弱すぎる。
賭けで手に入れた札束をパーカーのポケットにしまい僕は路地裏を後にした。
『ヒロ!』
路地裏を出ればずっと聞きたかった声。
振り返ればそこにはなまえと、たぶん大学の仲間たち。
「なまえの弟?」
『違うよ。ヒロは幼馴染』
相変わらずな弟扱いにむっとしたけど、なまえは即答で否定してくれるからちょっとだけ嬉しかった。
まあ実際弟じゃないから当たり前か。
「なまえ、じゃあまた明日」
『うん!バイバイ』
仲間たちに別れを告げると、なまえは僕と一緒に歩き出す。