*シナリオ*

□『俺の前だけでかけて』
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「…小さい頃からずっと眼鏡をかけたかった。でもいざ視力が悪くなると、それが嫌になる。かけない方がいいよって言われるんです」
「ふんふん」
「眼鏡はダサいとか外した方が絶対良いとか…みんな外すことばかり言う」
「ダサいは失礼だね。そんなこと言った奴らの鼻を一人一人へし折ってやりたいぐらいだよ」
「で、あなたの話は終わりましたか?」
「うん、手短に済ませたよ」
「じゃあ私帰りますので」
「待って!返事はイエス!?」
「NOで」
「ええええ!?」
「私、眼鏡なんて大嫌いです」
「…な、なんで?」
「あなたには関係ありません。いい加減にしないと警察呼びますよ」
「呼んだってかまわない!!だって俺は君に眼鏡をかけさせたいんだから!!」
「じゃあ呼びます」
「やめてええええっ!!それだけはやめてえ!」
「とにかく、もう二度と私に関わらないでください」

 彼女は強めの口調で言い放つと、そのままカフェから飛び出して行ってしまった。

「…あ、名前聞きそびれた。また会わなくっちゃ」

『関わるな』と言われてこの俺が素直に「はいっ」なんて、言うと思ってるのか?
残念!!言わねえよ?
逃がしてたまるか、絶対捕まえてみせる!!
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