僕の声が届くまで

□第二話
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「足、壊してるのか?」

口の悪い方の先輩が私をいたわるように聞く。

「もう治らないんですよ、私の右足」

うつむいたまま、そのままで私は言った。

「・・・納得いったよ、ずっと昔からおかしいとおもってたんだ、どうして将来有望な期待の選手が突然姿を消したのか」

「お前、そんなにこの子のこと気にしてたのかよ・・・気持ち悪いな」

「なんでそんなこと言うのさ岩ちゃん!それにそんないかがわしい理由で気になってたんじゃないよ!」

「お前ほどいかがわしいという言葉が似合う奴はいねー」

「そんなことないよ!てかもういいよ俺のことをけなすのは!」

なんだか漫才のよう。

「ははは、・・・・・でもね及川さん、私だって最後までバレーしたかったんです、靭帯を断裂してても、きっとすぐに治して仲間とバレーしたかったんです」

「・・・・・」

「だけど、事情が違ってたんです、私の足はずっと負担をかけすぎていて、思った以上に痛めてたんです、これ以上痛めすぎれば手術しなくちゃいけないし、手術が成功したとしても思うようにバレーはできないって、・・・・・お医者さんに言われた時はもう絶望しか感じませんでした」

私、今どんな顔してるかな・・・
きっとすごい悪人面してるんだろうなぁ。

「だけど、やめる必要はあったの?」

「・・・・・」

この人鋭いところついてくるなぁ・・・。

「俺の予想は、君は自分はとてもバレーがしたいのに、できない、皆のバレーしてる姿を見てるとそれが素直に応援できなくなったんでしょ?羨ましくて、妬んで、このままじゃみんなに迷惑をかけてしまう、だから部を去ったんでしょ?」

「え・・・・・」

「その顔図星だね」

なんてことだ、まともに話したこともない人に自分の心をこんなにまで見透かされるなんて。

「そりゃねぇ、見たらわかるよ、キミ、すごく負けず嫌いでしょ?」

心の中まで読めるのか??

「いや、声に出してた」

「うっ・・・」

「そこまで自分の性格当てられるとは思わなかった?俺、キミの本性に興味が出たんだ、だからさ、お願いだよ、マネージャーになって?」
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