僕の声が届くまで
□第一話
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――放課後のチャイムが校内に響き渡るころ、それぞれが各々の所属する部活へと足を急がせる。
「当麻さん、いつでもいいから見学に来てね」
国見くんもそれだけを言い残すと部活へ行ってしまった。
教室には帰宅部とまだ行くかどうか迷っている私くらいしかいない。
「ねぇねぇ!バレー部の及川さんって知ってる!?」
「知ってるよ!ちょーカッコイイよね!」
バレー部、及川さん?
「でも、最近ケガしちゃったんだって!」
「え!ほんと?心配だなぁ〜、そうだ!見に行こうよ!」
「噂だと、ちょうど今鳥野ってとこのバレー部が練習試合しに来てるんだって!」
「そうなの?じゃあ急がなきゃ!」
パタパタと廊下へ走って行った女子たち。
「練習試合か……終わったら行ってみようかな……」
そうしているうちにウトウトと眠り込んだ。