゚+long main+.

□Sound of the heart part1 結弦side
1ページ/2ページ

今日もいつものきつい練習から帰ってきた。

「ただいま〜…。」

俺は、重たい自分の体をのそのそと運んで
やっとの思いで自分の部屋につきベッドに倒れ込む。

「ぐわぁ〜…。」

思わず変な声が出てしまう。

今日はいつも以上に疲れた…。

と、今日あった入学式を思い出してみた。



ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

中学校生活では、
とにかく自分の目標を高く持っていた。

自分の入りたい志望校に入りたいがために、
一生懸命勉強してきた。

大会でとにかくいい成績を出すために、
一生懸命スケートに打ち込んだ。

そのおかげで志望校にも入れたし、
ジュニア大会で優勝もできた。

これからもちゃんと勉強とスケートの両立は
続けていきたいと思っている。

しかも、今年からはシニア大会入りをしたいとも
考えているところだ。

勉強とスケート以外に集中できることはないと思う。

恋愛なんて論外だ。

…………と、思っていた俺がまさかの…

ありえない、ありえないよ、うん。

……でも、少しだけ、
ほんの少しだけ胸が高鳴ったんだ。


それは入学式の時だった。

隣の女の子が何やら目をつぶってうとうとしていたので
起こしてあげたその時。

うっすらと目を開けてこちらをゆっくり見る
彼女の顔が頭から離れなくて…。

なんでだろ?

うーん…。
何でか分かんないけど、彼女ととても話したくなった。

自己紹介の時彼女の名前を知ったら、
今度はもっと彼女のことを知りたくなっちゃって…。




あんなこんな考えているうちに家についていた。

「あ〜、もう何なんだよ〜…。」

俺は吐き捨てるようにいった。

何でこんなに頭からはなれないんだろ。

今まで、女子にこんな感情抱いたこと無いのに…。

この気持ちをどうにか振り払おうと、

いつもより早いがランニングをすることにした。


いつものお気に入りのランニングコースの公園を走る。

でもいつもとは違う、少し明るい景色。

時間帯が違うだけでこんなにも景色が違うのか。

音楽を聞きながら、きれいな景色を眺め走っていると、

ベンチに座って、ギターを引いている少女がいた。

どこかで見たことある顔だなと思い、
イヤホンを外し顔をよく見てみると、

俺のランニング時間を早めた張本人がいた。

「柊さんだ…。」

きれいな音をその喉から響かせて、
ギターを弾いている 柊 玲香さんがいたのだ。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ