小説

□★堕ちた果てにあるものは
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 何故こんなことになってしまったのだろう。俺達はバスケで繋がった絆で、共に勝利を目指していたはずだったのに。気づいたら違っていた。もう前のような関係には戻れないのか。運命の歯車は狂い続ける・・・




 「前から言ってるが、俺はこんなことなどしたくないのだよ。」
 「真太郎。そんなつれないこと言うなよ。僕と楽しいことをしよう。」

 赤司は俺の目を見ながら唇を重ねてくる。自分では、したくないと言ったのに、赤司の眼からは逃げることができなかった。静かに舌を絡められ、口の中の自由を奪われる。赤司の好きなように弄ばれる。俺は息継ぎをするのが、やっとだった。赤司は、そんな俺の反応をいつも楽しそうに見つめてくる。ようやく、唇を解放され息を整える。

 「・・・なぜ、俺なのだよ。他の奴らとも同じようなことをしているだろう。そいつらとやっていれば良いのだよ。俺を巻き込まないでほしい。」

 赤司は俺以外のキセキの世代と呼ばれる奴らとも同じような行為をしている。他の奴らは何だかんだで、その事を楽しんでいるようだった。赤司が、なぜ同性でこのような行為に及ぶのか理解に苦しむ俺にとっては、赤司との行為が苦痛でしかなかった。しかし赤司の眼からは逃れることは叶わず、次第に快楽の波に溺れている自分がいた。事後は、いつも後悔の嵐だ。赤司が、このような事をしたいなら、やりたい奴らでやっておけば良いのに、俺を巻き込まないでほしいと常々思っている。だから、そんな思いを口に出してみた。赤司は、そんな俺の言葉に対して、妖しい笑顔で応えてくれた。

 「なぜかって?決まってるじゃないか。他の奴らじゃ面白くないだろ。奴らは自分の快楽を求めて腰を振るだけさ。でも真太郎は違う。男同士で、こんな行為に及ぶことに対して抵抗がある。だけど快楽の波には逆らえず、苦悩に満ちた顔で僕を求めてくる。そんな君の堕ちてく顔がみたいんだよ。」

 そう言い放ち、俺を抱き締める。俺は動くことができず、今日も赤司に玩ばれる。
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