ポケモン

□fifth
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朝食を食べ終わった後
サトシは急いで、シンジはサトシに急かされて準備をした

ポケモン達はボールの中に入れ
サトシとシンジ、ピカチュウはポケモンセンターからそう遠くは無い森に走っていった

「おい、なんで森にいくんだ」

「いいから、いいから!」

「ぴっかぴっか!」

機嫌の良い二人(一人と一匹)にシンジは内心で微笑むと
さらにスピードが上がったサトシを追いかけた

「着いたー!」

「ぴかー!」

サトシ達が止まった所は森の中にある大きな草原で、中央には大きな樹木が一本生えていた
そこの草原には昨日ポケモンセンターに預けていたシンジとサトシのポケモンがいた

「どおりで居ないと思った…」

「多分リザードンが案内したんだろうなぁ」

シンジはため息を吐きながら言うと、サトシが笑いながら言う
二人のポケモン達が居る場所に歩きながら会話をしていると、ポケモンの方から火柱が…

「うわぁぁあ!!」

「!?」

「ぴかぁあ!?」

シンジがピカチュウを抱え、サトシがその二人を抱える
二人と一匹が火柱が上がったほうを向くとリザードンなどが土埃をあげて走ってきた

「…おい、はなせ」

「やだ」

「まき込まれるだろ。だからはなせ」

「やだ、道連れだぁぁあ!」

「!!?」

「ぴかぁぁああ!!」

リザードンなどがシンジ達に突っ込んできた来た為
サトシとピカチュウは叫び声をあげ、シンジは驚きすぎて声をあげなかった

「うわ!?リザードン!苦しい!!」

「……」

「ぴっか!」

リザードンに抱きつかれ
サトシは笑い、シンジは諦めの境地に立っていた
ピカチュウは、そんなシンジに呼びかけていた

「それより、皆!出てこい!!」

リザードンの腕の中からサトシはバックの中に入っていた、大量のモンスターボールを投げた
その大量のモンスターボールからポケモンが出てきた

「皆!久しぶりだな!!」

そこで嫌な予感がしたシンジは、リザードンかな離れ
そこから、サトシ達の様子を見ると
案の定、ポケモン達に押しつぶされるサトシがいた

「あはは!皆、本当に久しぶりだな!」

「…重そうだな…」

「重いけど、会えた事の方が嬉しいから気にならないぜ!」

「そ、そうか…」

押し潰されそうになりながらも
嬉しそうにしているサトシに、シンジは少し微笑んだ



「おーい!サトシー!!」

シンジとサトシがポケモン達と遊んでいたり、昼寝をしていると
カスミとイッシュ組がやってきた

「お!カスミー!ここだー!」

手を振って場所を知らせるサトシと、その横で軽く手をあげているシンジに気付いたのか
カスミとイッシュ組は二人の所に走ってきた

「今朝ぶりね!皆とゆっくりできた?」

「ああ!とっても楽しかったぞ!」

そう…と苦笑しているカスミの後ろでは
シンジやサトシのポケモンを見て瞳をキラキラしていたり
サトシ達を茫然と見ていたりと様々だった

「それより、カスミ」

シンジの呼びかけに、カスミは頷くとイッシュ組に向き直った

「昨日言っていた事だけど、バトルの準備は決まった?」

「はいはーい!私が一番目よ!」

サトシは審判をやるといって、スペースを作りに走っていった
シンジはその姿を見送ると、カスミ達に向きなおった

「で、相手はシンジ君!」

その言葉にシンジは頷くと
サトシが作ったスペースに歩いて行った

シンジとベルは、所定の位置に着くとサトシの号令でポケモンを出した

「行くのよ、エンブオー!!」

「ドダイトス、バトルスタンバイ!」

二人がポケモンを出した所で
ベルが、シンジにある提案を出した

「ねぇ、シンジ君!賭けをしない?」

「何をだ」

「負けた人が勝った人の願いを何でも叶えるの!」

「まぁ…別にいいが…」

良い考えっと言わんばかり、顔を輝かせるベルに
シンジは承諾すると、バトルが始まった

「エンブオー!ニトロチャージ!!」

ベルの指示で炎を纏って突進をしてくるエンブオーをシンジは少し見ると
ドダイトスに単純な指示を出した

「ドダイトス、受け止めろ」

その指示に迷い無く従ったドダイトスは、土埃をあげてエンブオーを受け止めた
土埃がはれると、そこには涼しい顔をしてエンブオーを受け止めるドダイトスがいた

「うそ…無傷っ!?」

「ドダイトス、ハードプラント」

驚愕しているベルを尻目に
エンブオーはドダイトスのハードプラントによって目を回した

「エンブオー、戦闘不能!よって勝者、シンジ!!」

「「「「ワアーー」」」」

サトシの判定に、サトシとシンジのポケモン達が喜びの咆哮をあげる
その事にシンジは不思議そうな顔をするも、エンブオーの所にいるベルに歩み寄った

「あーあ…負けちゃったね…」

その後、ちいさな声で交換したかったなとベルは言った
それを聞いたエンブオーは悲しそうに目を伏せた

そんなエンブオーの様子に気付いたのは、歩み寄ってくるシンジだけだった

「おい」

「どうしたっ…!!」

シンジはベルに呼びかけ
顔を上げたところで、シンジは左手でベルの頬に平手打ちをした

「何をするの!?」

「何って…平手打ちだが?」

しれっとした様子で言ったシンジにベルは怒った
何で叩いたのかと

「お前のポケモン達の気持ちに気付かないからだ」

「この子達の気持ち…?
 分かってるわよ、だって私はこの子達の友達だもの」

「そうか、お前はその友達を物の様に扱うんだな」

その言葉にベルは目を見開く

「そんな訳無いでしょ!!」

「だったら、何故その悲しそうな様子に気付かない」

ベルはハッとエンブオーを見ると
悲しそうに目を伏せ、堪えるようにしているエンブオーが居た

「お前は交換をすると物の様に言われ、何時捨てられるかと恐怖している
 ポケモン達の気持ちに気付いたか?」

「そんな…捨てるなんて…」

「ポケモン達の同意がなければ捨てるのと同じだ
 それにな、もし他の地方を旅をするトレーナーと交換をしたら
 もう二度と会えない可能性だってあるんだ」

それでもいいのか?とシンジが聞くと
ベルはその質問に泣きそうに顔を歪めながらエンブオーを放すまいと抱きしめた

「そんなのヤダ…!!」

「だったら、大切にしてやれ。
 もう交換なんて物はしなくていいだろう?」

泣きそうになりながら頷いてエンブオーを抱き締めるベルと
嬉しそうにベルに擦り寄るエンブオーにシンジは柔らかく見るとサトシの方に歩いて行った


「お疲れ、シンジ」

「ああ…」

もう、ポケモン達の所に戻って
同じ草タイプのポケモン達から質問されている己のドダイトスを見ていると
横からポツリと小さな呟きが聞こえた

「さっきのビックリした…」

「…あぁ…だが効果的面だろ?」

まぁね、と苦笑しているサトシを見ると
シンジは、サトシにとって爆弾発言をした

「残りの奴らもこんな風にやるからな」

「…え?…」

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