ポケモン

□third
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部屋に入った二人とポケモン達は
ベットに座ったり、遊び始めたりと普段だったらしているはずが

今では、シンジとサトシに視線が集中していた
視線の最中にいる二人は、背中に感じながらも上着を脱いでいた

「さて…と…」

さっさと上着を脱いだサトシとシンジはポケモン達に向き合っていた
サトシは笑顔でシンジにポケモン達の紹介をした

「シンジ!紹介したいんだけど…」

「ああ、いいぞ」

シンジが頷くと
右からサトシがポケモン達を紹介した

「右から、ミジュマル、ツタージャ、チャオブー、ガントル、ズルッグだ」

説明を受けたものは
胸を張る、そっぽを向く、皮を引き上げるなどさまざまだった
シンジは腕の中にいるピカチュウに、個性が強いのが集まったなと言うと
ピカチュウは苦笑をした

サトシはそんなシンジとピカチュウに笑うと
自分のポケモン達にシンジを紹介した

「皆!一番のライバルのシンジだ!!」

「シンジだ。よろしく」

少し柔らかい無表情で自己紹介(?)をしたシンジは
ズルッグ以外に敵意が篭った視線が向けられた

それに気付いたピカチュウは理由が思い当たったのか
シンジの腕から抜け出し、ピカチュウは頑張って説明していた

「ピカチュウ?どうしたんだ?」

「ぴっかぁ…」

困ったように耳を垂らすピカチュウにシンジには首を傾げると
サトシは笑いながらポケモン達に言った

「皆!シンジは俺のバトルスタイルが決まったきっかけで、俺のバトルを認めてくれた人なんだ!」

その言葉にポケモン達は敵意を消した
ピカチュウは安堵のため息をこぼし、シンジは少し笑った

「!!?!?」

「どうしたんだ?」

その微笑をみたポケモンとサトシは固まり
問いかけに逸早く硬直から脱出したサトシは首を激しく首を振った

「なっ…なんでもない!」

「そうか?」

首を傾げるシンジに
サトシとサトシのポケモン達は首を縦に振った
それよりも…とサトシはシンジに話しかけた

「何で笑ったんだ?」

「いや…ポケモン達に大切にされているんだな、と思ってな」

ふわっと笑ったシンジに
サトシとピカチュウ、その他のポケモン達は抱き付いた

「なっ…なんだ!?」

「いやー…可愛いなと思ったんだ…」

その言葉に真っ赤になったシンジはサトシを引き剥がした
ポケモン達も引き剥がされた

「いきなり抱きつくなっ!」

皆して誰に似たのだろうか…
いっせいに頭を掻いて照れ隠しをした

「はぁ…もう寝るからな」

と言って
一人ぶんのスペースを作って寝たシンジの枕元に座ったサトシは
大人びた笑みを浮かべ、シンジの髪を梳いた

「なぁ…皆…」

ふわりと笑うサトシに
サトシのポケモン達は首を傾げた

「俺にとってシンジは大切な奴なんだ…
 無理にとは言わないから、仲良くしてくれないか?」

その問いに、ポケモン達は即座に頷いた
もともと、仲良くなりたかったからだ

その反応を見たサトシは、ありがとうと微笑み
シンジの寝ているベットにもぐりこみ、シンジを抱きしめて眠った

ポケモン達は
どことなく幸せそうに眠るシンジと幸福に満ちた顔で眠るサトシの寝顔を見ると
もう一つあったベットで丸くなって眠ったり、床で盛大に寝転んで眠ったりして一晩を過ごした

――ちなみに、ピカチュウはちゃっかりシンジとサトシのベットで丸くなって眠った――


おまけ(翌朝の事)

「…(私は何故サトシに抱きしめられているんだ?)」

「んぅ…」

「サトシ…起きろ」

「んー…」

「ぴぃか…」

「…(一眠りするしかないか…)」

その時の時刻、五時十分。そりゃ、起きれないわ…

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