NO.6

□Re;4
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チャイムがなった時
ズボンを穿いていたネズミがTシャツを着て扉を開けると

バラの花束を持った男性がいた

「……」

「あ…あの?」







紫苑がリビングに行くと
片や無言で威圧感をだしているネズミ
片やネズミの威圧感にオロオロして居心地が悪そうな上層部男性ー鈴木 海

鈴木は紫苑の顔を見るなり
パアァァァァと顔を明るくして立ち上がった

「紫苑さん!」

「あっ、鈴木さん…すいません…待たせてしまったようで」

「……」

「ネズミ?」

謝るために鈴木とネズミに近づくと
ネズミは無言で紫苑の腕をひいて隣に座らせた
その光景を見てショックを受けている鈴木

「ネズミ…?」

「ん?」

「僕お茶出さないといけないんだけど…」

「分かった、行って来る」

「僕が行って来るよ?」

「別に暇だしな、それに…」

ネズミは紫苑の耳のそばに顔を近づけて小声で言った

「それに、体つらいだろ?」

「う…」

その反応に満足したのか紫苑の頭を少し撫でると
キッチンに行った

紫苑はキッチンに行ったネズミを見送った後
鈴木に向き合った

「えっと…鈴木さん。おはようございます」

「あ、あぁ…おはよう…」

「…」

「…」

痛い沈黙が落ちた時
先に
口を開いたのは鈴木だった

「あ、あの…」

「はい?」

「その…」

「?」

鈴木は思い切ったように言った

「あの男性は…」

「鈴木さんお見合いの話ですが
 私に好きな人がいたら諦めるという話でしたよね」

「では、あの男性が…?」

その問いに紫苑は頬を染め、幸せそうに微笑んだ

「はい。
 僕の好きな人です」

「そうか、俺も好きだぞ?」

「「……」」

紫苑は聞かれた事に対しての恥ずかしさから
鈴木はふられた事に対しての悲しさから無言になった

そんな心境を知っているのか知らないのか…
…いや、絶対コイツは知っている
ネズミは紫苑の横に座った

「どうしたんだ?」

その問いに二人は答えず
鈴木は立ち上がって紫苑に言った

「紫苑さん」

「…はい?」

「今はお祝いが出来ないですけど…おめでとうございます」

「!ありがとうございます…」

そういって帰っていった

紫苑はネズミに寄りかかるとため息を付いた
ネズミはため息を付いた紫苑の腰に手を回して抱き寄せた

「ハァ・・・」

「紫苑?」

紫苑はネズミの肩に
額をぐりぐり押し付けると疲れたように言った

「腰は痛いし、体はだるいし…疲れた…」

「お疲れ」

「ん…」

紫苑の頭を撫でると紫苑はおとなしくなった
しばらく紫苑はネズミに撫でられているとなにかを思い出したかのように顔を上げた

「どうした?」

「ネズミに聞きたいことがあったんだ!」

ネズミは紫苑を足の間に座らせて
以前より長くなった紫苑の髪をさわりながら聞いた

「なにをだ?」

「この家に一緒に住まないか、って」

「…すまん、もう一回言ってくれ」

ネズミは少し固まったあと
額を手でおさえて呆れたように言った

「はぁ…(なに言ってるんだ、この娘は…)」

「だから、一緒に住まない?って」

「…(聞き間違いじゃなかった…)」

「……」

紫苑はネズミの顔を心配そうにジーッと見つめると
ネズミは紫苑の米神にキスをして言った

「別にいいけど…お前はいいのか?」

「いいの!僕がしたくてやってるんだから」

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