REBORN

□彼女の休憩
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綱吉が客人宣言をし、泊まらせる宣言をしたので
唯は豪華な客間でボーッとバルコニーに立っている

唯は寝間着…と言っても、持ってきているはずないので
カレンから貰った袖無しのネングリジェを着ている

そんな彼女は月光が降り注ぐバルコニーで
普段おろさない髪をおろして立っている

月光の淡い光に包まれている唯は
さながら天女のようだった

バルコニーの手すりに手をついて、月を見上げていた彼女は
後ろから何かを羽織らせられた
無表情だがビックリしたのか、唯が横を向くと
呆れたように笑っている綱吉がいた

「……沢田様…?どうかしましたか?」

こてんと首を傾げながら
唯羽織らされた何か―バスローブを綱吉に返す

少し話をね…とバスローブを受け取ると
綱吉は唯を向き合うように体を動かし、バスローブを羽織らせた
その事にムッとした唯は、少しだけ咎める様な声を出した

「沢田様…風邪をひいたらどうするんですか」

「その言葉、そのままそっくり返すよ」

「私はいいんです。私は」

「ダメに決まってるでしょ。」

女の子なんだから。とバスローブの前を閉める様に手を動かした
その言葉に唯は目を伏せて大人しくしていた

「あの…沢田様…話とは何でしょうか?」

ジッと綱吉の顔を見る唯に、綱吉は苦笑すると
言い辛そうに口を開いた

「もう一度、うちに帰ってきてくれないかな…」

その言葉に考えるように目を伏せた唯は
ふっと目をあげて綱吉の顔を向けた

「今は私も仕事があります」

「そっか…」

「ですが」

うん?と唯の顔を見た綱吉はハッとした顔になった
何故なら唯は微笑んでいたのだ

「私はこの職業が好きですよ」

寒いですね、入りましょうと部屋に入るように促す唯
そんな唯を綱吉は抱き上げて部屋に入っていった

「えっと…沢田様?」

「ん?」

「なぜ抱き上げるんですか…?」

キョトンとしている唯の問いに
綱吉は唯をベットに寝かせてにっこりと笑った

「一緒に寝ようと思って」

ぱとぱちと目を瞬かせる唯を尻目に
綱吉は唯にシーツをバサッと被せると、シーツと一緒に唯を抱きしめて横になった

「沢田様!寝るなら自分の部屋で寝てください!」

「やだ」

「風邪をひきます!」

「唯、うるさい」

そう言われて、口を噤んだ唯はため息を吐くと綱吉に擦り寄って、眠りに落ちていった
そして、穏やかな寝息を唯から聞くと
狸寝入りをしていた綱吉は、若干赤くなった顔で唯を抱きしめた

「こんな事、俺以外の人にしちゃいけないから」

したら襲われちゃうよと優しく呟くと
再度、唯を抱きしめて穏やかな眠りに落ちていった

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