REBORN

□彼女が初めて起こした事件
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花園がボンゴレファミリーのメイドになって1ヶ月がたった
唯は毎日、花園の仕事を押し付けられながらも、涼しい顔をして仕事をしていた

今、唯には少し困った事がある
前にもいった通り
唯は平和に暮らすために傍観するつもりである
その筈が、唯が綱吉に紅茶を出したあの日からちょくちょくと綱吉が唯に会いに来るのだ

それが分かった時の花園の顔は怖いこと怖いこと…
また、殺されるのではないかと唯は冷や汗をたらしていた

そんな彼女は今
可愛い顔で可愛い表情をしていながら、刺々しい言葉を吐く花園と廊下で対峙していた

「ねぇ、何で貴女みたいなブスが私のツナ君と会ってるの?
 ちゃんと自分の容姿を鏡で確認した事がある?
 確認したなら、もうツナ君に合わないでよ」

本当に不思議そうに言葉を発する花園に
唯は何も感じていなさそうな顔で花園を見ていた
実際には、心の中で反応をしているんだが…

「…(あー…沢田様を物扱いですか…度胸が据わってますね。私がブス?そんな事は分かっていますよ)」

いいえ、貴女は綺麗です。
まぁ、それは置いといて…
そんな事を唯が思っていると、その可愛らしい顔で花園は口を開いた

「それに、貴女なんて居なくても…」

唯はその続きの言葉が聞きたくなかった
だから、その言葉を聞いた瞬間。
唯の握り拳は横の壁に強く叩き込まれた

「私が居るんだから、貴女が居る価値なんてないのよ」



綱吉side

久しぶりに守護者全員が集まって、リビングで茶を飲んでいた
そこでは最近の楽しかった事、嫌だった事などを話して和やかな雰陰気だった

丁度、最近入ってきたメイドの話に入る所で大きな音が聞こえた
音の大きさから考えると、どうやら近いようだ

その事に、興味のある守護者はその場所に行ってみることにした
少し雑談しながら歩いていくと
最近入ってきたメイドの高い声が聞こえた

そこは廊下だった
そこには、おびえた様な最近入ってきたメイド―花園と
後ろ姿だけだが、横の壁を殴ったように手が置いてある唯だった

その光景に、興味半分で来た守護者たちは呆気に取られた
なんせ、メイドの細い腕、小さい手のある場所にクレーターができているのだから

「貴女となんか仕事はやってられないわ…!」

その発言に、壁にあった手を引き寄せた唯は
高すぎでもなく、低すぎでもない心地よい声で返事をした

「…わかりました。やめさせてもらいます」

そんな返答をした唯は
ここに来ていたのが分かっていたのだろう
綱吉達の方を振り返ると
無表情の筈なのに、瞳で不機嫌さを表している顔で丁寧にお辞儀をした

「沢田様、先ほど言いましたとおり。やめさせてもらいます」

さっきの事を簡潔に、キッパリとした口調で言うと
唯は守護者たちの横を、スルリと通っていき
廊下の奥に姿を消した

その時、綱吉は驚愕したような、悲しそうな表情をしていた
彼女は、この仕事に何かしらの思いは持っていたはずだと
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