ブラックボックスへようこそ。

□01 「邂逅」
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「あれは、ガンダム、かしら?この世界にもガンダムが・・・?にしても、操縦が酷い。それに対してほかのガンダムらしき4機はよく訓練されてる。といっても粗が目立つけれど。まだ若いのかな」

ぶつぶつと言葉を漏らしながら、戦闘を観察する。
積極的に白いガンダムに仕掛けるのは武装の貧相な物足りないガンダムで、もう1体の赤いガンダムは手を抜いているように見える。
対して白いガンダムは碌に照準も合わせずにライフルを連発しているだけ。避け方も随分と無様だ。おそらく素人なのだろう。

「でも、どうして素人がガンダムなんかに。見ていられないな。・・・あっ!」

手を出そうか迷っている間に、戦況が変わった。
白いガンダムが急に電池が切れたように色が抜けグレーになり沈黙したのだ。そこをすかさず赤いガンダムが変形し、UFOキャッチャーよろしく組み敷くと、転進した。(おそらく、彼らの母艦でもある方向なのだろう)
しかし、赤いガンダムは直ぐに白いガンダムを手放さざるを得なくなった。彼らの母艦の方角からやって来たオレンジ色のMAに攻撃されたのだ。

「あのオレンジのは白い子の仲間ね。どこかから戻ってきた感じ?ノワール、音、拾える?」
「了解、了解」

コックピットに若干のノイズ交じりに戦場の音が流れる。

『坊主!今、アークエンジェルがランチャーストライカーを射出する。戻って換装するんだ!!』
『はい!!』

オレンジのMAがガンダム2体を押さえ、白いガンダムが頼りない速度で戦艦(アークエンジェルらしい)へ戻っていく。

「でも、あの速度じゃ、おそらく。・・・!?やっぱり」

先ほどの赤くない方のガンダムが、オレンジのMAの攻撃を掻い潜り、白いガンダムを追う。明らかにこちらの方が早い。
白いガンダムがようやくアークエンジェルに辿り着き、換装の姿勢をとったその時、敵にロックされる。

「あぁ、もう!!ノワール!射線取って、(元)デュナメスのライフル(改良版)使うよ。一発で当てる」

急いで長距離用スコープを引っ張り出し、効き目を宛がう。ノワールのサポートのおかげで、対象が目の前にいるかのように見える。

「狙い撃つ!!」

光線は真っ直ぐに敵のアームへ伸び、その手に持つバズーカをピンポイントで弾き飛ばした。
そして、それに追い討ちをかけるように、白いガンダムからとんでもない火力のビームが飛び、敵のアームを掠め焼いた。更に続けて乱射していると、形勢逆転で彼の4機のガンダムは早々に退散して行った。
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