笑えや笑え

□泣く
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「おーい、名無し」



『うるせぇよ』




「うるせぇってなんだよ!入学式だせ?テンション上がるだろ?」



『上がってんのはお前の頭だハゲ』


「お口が悪い!!」



あの日、室町の忍術学園で卒業式をやってもらった。


皆、お疲れ様とか有り難うとかごめんなさいとか沢山の言葉をくれて

学園長先生が即席で作ってくれた卒業証書を受け取って小松田先輩の出門表にサインして門の敷居跨いで出た。



そのとき





敷居に足を取られ見事に転び、



うわっはずかしっ!!と思って顔を上げたら



「名無し!!!おい!大丈夫か!?怪我は!?おま、受験前にここから滑るとかどういう神経してんだ!?大丈夫か!?」





と、目の前には会いたくて会いたくて堪らなかった祐介の姿が…



恐る恐る後ろを振り返るとそこは3か月前にヘラヘラしながら歩いて転げ落ちたあの石階段




『も、どった?』




「は?お前頭でも打ったか?俺が誰だか分かるか?って…おい名無し…?」




あぁ、戻ってきた。



敷居を跨ごうとしたあの瞬間私が戻ろうと強く願ったからなのか、学園の皆が帰れるように祈ってくれたからなのかわからないけど



戻ってきた。





帰って来た





「お、おい、ホントにどうした名無し、痛かったのか?」



『ん、ううん…っ痛く、なっ、』



あぁ、




有り難う




皆有り難う



転ぶ瞬間ちらっと見えた



「「「「名無し/ちゃん/さん!!!!」」」」





皆の焦った顔はきっと、一生忘れないよ





楽しい思い出を



有り難う






『っ、う、う、うわああああああああああああああああんゆううううすけええええええええ!!!』




「ちょ、ちょっと、そんなに泣かなくても…ええ!?何故!?」









そしてそれから半年後、本日入学式です






「ほら、いくぞー」


『うん、行くか』






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