笑えや笑え

□わ
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その頃の学園







「喜八郎の穴は全部みたのか」



「今綾部が確認してるけど先生方も探してて、でもどうやら学園には居ないかもしれない」


「小平太と長次はもう探しに出てる」



「俺たちも合流して探そう」



「わかった、私は文次郎に伝えてから向かう」




天女が逃げたと学園中が大騒ぎになった


あぁ、やっと居なくなった



俺はあわてている先輩達や先生を見てニヤリと笑った



どうせ先輩達は天女を見つけられない


先生も、絶対に見つけられない



もう死んでいるだろう


なぜなら俺が野生の狼の巣に捨ててきたから



今頃あいつらの餌になってる筈だ



これで皆もとに戻る


「なぁ、ハチ」



「んー?」



「お前は知らないよな」




「知ってても言わねぇよ、あんなやつ居ない方がましだろ」



「…」



「何だ三郎、お前まで妖術にかかったのか?」



「お前、なのか」




「だったら何だ?先生でもチクるか?」




俺は確信していたんだ



天女は悪だって



皆だってそうだっただろ?



皆がやらないなら俺がやる



それだけじゃねぇか





「何処にやった」



「もうおせーよ」



何もかもおせーんだ





何が一週間だ、学園長先生も冗談が過ぎる。結果など決まっている。天女は例外もなく排除、それでいいじゃねぇか




「おい三郎!!お前なにしてんだ!?」



「ハチが天女の居場所知ってる」


「なっ!?ほんとなのハチ!」



なのに何で



「今すぐ居場所を吐け八左ヱ門」



「今なら間に合うかもしれない」



「教えて下さい!!竹谷先輩」





何で誰も笑わない?





「さぁ?知りません」




何故誰も喜ばない?





「てめぇっ!」



何故皆怒る?






俺は何一つ間違えてない



「っくそ!探すぞ!こんな腰抜けに構ってる暇はねえ!」




何故だ?




「ハチは少し頭冷やしな」



「貯めずに吐き出せば良かったのに…」



「気づいてやれなかった俺達の責任だ行こう」






勘右衛門



雷蔵



兵助




「天女は生きてるぞ、あいつは死ねない女なんだ」




三郎





「もう、遅い…」





遅い、




もう疲れた




天女をどんどん信じていく仲間を見るのも



奴の監視をしなきゃいけないのも



予算会議が近いんだぞ?そんなことしてる余裕があるのか?




すべては天女のせいだろ?




俺は、間違えてない




なのにどうして先生に連れてかれてんだ?


だってあいつが帰らない理由は



"帰りたくないと思う"事だろ?



どこかで絶対に帰りたくないと思っているからここにいつ続けてるんだろ?


口だけの帰りたいという言葉を信じて皆で構い倒して、また学園をボロボロにするんだろ?




「竹谷八左ヱ門、つれて参りました」



「うむ」





なのに何で、何で






「さて、八左ヱ門、ワシはお主に謝らねばならんようだ」



「一体、何をです」




「天女が天に帰る理由じゃよ」




「そんなことは知ってます。"天女自信が帰りたいと願うこと"ですよね」



「あぁ、そうじゃ…しかしそれだけではない」



「…と、いいますと?」





「"天女自信が帰りたいと願うこと"













それともうひとつ" "」







あぁ、嘘だろ?









俺はすぐに庵を出て天女のいる狼の巣に向かった






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