笑えや笑え

□や
1ページ/2ページ




ーお守りも買ったしそろそろ帰ろうか



ーそーだな


ー帰って過去問やらなきゃ


ー宿題は?あっただろ数学のやつ


ー配られた時点で終わらせた


ーマジで!?貸して!


ー自力でやれ


ー無理!


ー諦めたらそこで試合終了ですー


ーまだ試合始まってすらねぇから


ー受験生なんだからもうここは戦場です。


ー…あーあ 受験なんか来なきゃいいのに


ー時は待ってくれないよ、あ!見て!飛行機雲!!


ー飛行機雲?どこだよ

ーあそこ!っぎゃ!!


ー名無し!!!!




ーーーーーーーーー





日曜日、昨日の晴れ間が嘘のように豪雨です


絶好の穴堀日和だ!




「馬鹿か!こんな雨の日に外に出るやつなどいない!」



『でも約束したんだよー!』


「喜八郎には私から言っておく!お前はまだ万全の体じゃないだろう!」



『雨にも負けず!風にも負けず!そうゆうひとに私はなりたい!』



「伊作に言うぞ!」



『喜八郎君、ごめんね』




せっかく喜八郎君が穴堀しようと誘ってくれていたのに生憎の雨です。


なんなら豪雨です。


それでもやりたいと部屋を出ようとしたところ仙さまに捕まってしまいお説教を喰らいました
あと、伊作君怖い…
ごめんよ喜八郎君、私はダメみたい




『あーぁ、つまんないなぁ…』



「あのぉー…」



『ん?あ!三反田君!』


「名無しさん、今日何か用事でもありますか?」


『あったけど雨で断念した所だよー』



「じゃぁお暇ですか?」



『お暇お暇!超暇!』


「良かったーじゃぁ三年生とお話にしませんか?」



『え!?いいの!?するする!!』




おや、願ってもないお誘い!


これは素敵な日曜日になりそうですな!!



皆を呼んできますとパタパタ走って行く三反田君を見送って今日話すネタを探しに教科書を広げた。


むふふ、ニヤニヤが止まらんがな





「し、失礼します!三年生は組の浦風藤内です!趣味は予習!特技は予習です!作法委員会に属してます!よろしくお願いします!」



『はい!名無しの名無しです!趣味はガーデニングと読書です!特技は速読と暗算です!放送委員会委員長です!よろしくお願いします!』




なんかめっちゃ元気はつらつな子が入ってきて突然の自己紹介をしてくれました。

同じように自己紹介し返すと


「自己紹介した後の会話を予習してくるの忘れた!」



と言っていたのでかわいーと思いました。



『他の皆さんは?』



「あ、えっとい組の孫兵はもう来ると思います。ろ組の3人は…二人迷子で一人が探してます」



『ほうほう、三反田君は?』



「湿気で滑る床を見事に滑って足を挫いたのでたまたま近くにいた尾浜先輩に保健室に連れて行ってもらってます」



『えー!大丈夫なのそれ!?』



「よくあることですから…」



「失礼します」




おお!誰かきた!美少年!!



と、え?蛇?


蛇?!





「あ、孫兵…って!じゅんこ連れてきちゃダメだって言ったじゃないか!!」



「ダメなら来ないっていったら取り敢えず連れていってみようかって数馬が」



「うわぁー!女性は蛇とか虫とか駄目だって!!」



「こんにちは天女様、伊賀崎孫兵です。生物委員会に属してます。此方はじゅんこです」





『はっ!ご丁寧にどうもありがとう。天女改めて名無しの名無しです。蛇さんを見るのは初めてで緊張します。注意点などありますか?』




ふわーやべー本物だ!

伊賀崎君と一緒にペコって頭を下げたぞ!?
お利口すぎ!!




「え」


「じゅんこはとても頭の良い子です。むやみやたらに噛みついたりしません。いきなり大声を出すと驚いて仕舞うのでやめてください」



『分かりました。今日は落ち着いて話しますね。こんにちはじゅんこさん、めちゃくちゃ美人さんですね!あ、確か生物の教科書に蛇さん乗ってた!予習しておけば良かったー』




「教科書に乗ってるんですか?それって見せてもらえますか?」



『勿論です!コレが生物の教科書、あと参考書とテストに出ると思って買った生き物図鑑』




「お、お借りします!!」




すごい食いつきだな、持ってて良かった図鑑!


「怖くないんですか?僕らはもうなれたから大丈夫ですけど…」


『心配してくれてありがとう浦風君、大丈夫だよ。初めてだでどうしたらいいかわからなかっただけだから!』



「そうですか…」


『浦風君は何か興味のあるものありそう?よかったら見てみて』



「え!?いいんですか!じゃぁ…これ」




『お!お目が高い!これは科学だね。得意!』







何だかんだで二人とお話していて一時間ほど…休憩でもする?と言ったら浦風君がお茶を取りに行ってくれました。コイツ、できる!!



「す、すいません!遅くなりました!!」



「あー天女の部屋ってここなんだな」


「毎回ここだしここだろ?」



「毎回ここなのに毎回迷子になるおめぇーらを捜す俺の身にもなりやがれちくしょー!」




おやおやまぁまぁなんだか賑やかな子達が来たもんだ!


髪型個性的だがいい男だなおい


「あ、孫へ…ってじゅんこ!?」



「うるさいよ作兵衛、僕は今勉強してるんだから黙って。で名無しのさん
このえりまきとかげなんですが…」



『お、エリマキちゃんは早いよーめっちゃ早い水の上走れるよ!』


「!?なんて魅力的なトカゲなんだ!!」



『あ、どうぞ三人とも入って!おやつあるよ!今浦風君がお茶を持ってきてくれるから座って座って!』



「は、はい!」

「はーい」

「はい!」



おー元気だねぇ



そして自己紹介をしてお名前を教えてもらってたら浦風君と三反田くんが一緒に来てくれた!


『怪我は大丈夫?』



「はい、張り切って呼びにいったのにお恥ずかしいです」


『いやいや、張り切ってくれてありがとー三反田君!マジいい子!』


「影は薄いけどね」


「ちょ、酷いよ藤内!」



『影薄いってことは忍者に適してるんじゃない?めちゃくちゃ』



「あ、はい、先生にも言われました。いい個性だって…でもしょっちゅう皆にも忘れられちゃっていいんだか悪いんだか」



『三反田君は素敵だね。そうやって自分に向き合えるのは凄いよ』



「っ////////」



「はいはーい!僕は前向きで決断を迷ったりしません!」



「俺も迷わないでーす」



「お前らはもう少し自分と向き合って考えてくれ!!!」



「左門と三之助は超方向音痴で…いつも作兵衛や僕らも探してるんです」



『ほうほう』


「あの!未来に方向音痴直す薬とかありますか!?」



『方向音痴を直す薬は無いけど自動で行く道を探して教えてくれるものはあるよ』



「!?そ、それは作れますか!?」



『この時代では無理だね、衛星もないし携帯もないし…方位磁石は無いの?』


「ほうい?はないです。月や太陽で方角を計ったりしてます。忍は基本的に夜活動するので…」



『夜か、なら春なら北斗七星を捜すと方角が解るんだけど…あ、東からしか太陽が上らないことは知ってるよね?』



「それは知ってます!」



『方向音痴を確実に直すのは難しいけど積み木をやるったり部屋を片付けると訓練になるらしいと聞いたことあるよ』



「積木?ですか?」


「部屋の片付け…?」


『そう、積木は何処にどんなものを作るとかどういう構造なのかとか理解する訓練をするの。部屋の片付けも同じで何処に何をしまうのかとか習慣で覚えることから始めるって聞いたことがあるよ。
方向音痴の人ってそうでない人と比べて脳の作りが違うから習慣で覚えるのと覚える気を養うことから始めると良いらしいらしい』




「覚える気を養うこと…」




『苦手なことを克服するのってホントにやる気と根気が必要だからね。宿題とかそうでしょ?やだなぁやりたくないなぁって思ってると進まないしわかんないし余計嫌いになる。でも今日はやるぞーってときは苦手なものでも案外出来るじゃん?あれ?簡単?私天才じゃない?みたいにさ。だから調子の良いときにやるといいと思うよ』




案外それも悪くないって思うこともあるしね


英語以外





「成る程…」



『ゆっくり時間かけて直していこう!』







自分の気持ちを伝えるって難しいんだな



素直に話を聞いてくれて直球で受け止めてくれる。なんて嬉しい事なんだろう


私の話なんか聞きたくもないかもしれないけどペラペラしゃべっちゃうよ

後5日、5日で終わるかもしれないけど



この時間この時は大事にしたいな






『今日はありがとう』





「名無しのさん?」





笑うよ裕介



私は笑う



何があってもこの子達を傷付けたくない




『そろそろ皆夕飯の時間じゃない?楽しかった!ありがとう!』



深く関わってしまったら変わるよそりゃ



大好きになっちゃうでしょ


この与えられた時間は私の心を試すものだ



しっかり準備しておかなきゃ



その日の夜私は何者かに殴られ気が付いたら薄暗い洞穴のようなと所に手足を縛られて身動き取れないようにされていた


次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ