笑えや笑え

□え
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ーなぁ名無し



ーんー?



ー迷子になったら迷子センターあんじゃん?無かったらどーする?


ーおま、行きつけのスーパーで迷子になるつもりなの?


ーちげーよ。迷子センター無いところで迷子になったら人に道聞けるかって話!



ーあー…交番あったら交番、なかったらその辺の人に片っ端から聞くね



ーだよなー俺コミュ障だから無理かも


ー聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥ってことわざあるじゃん。見知らぬ土地で道を尋ねるのって恥ずかしいけど帰れないよりマシじゃね?




ー言われてみれば…やっぱ聞くしかねぇーか!



ねぇ裕介、聞いても教えてくれるとは限らないんだね、私もコミュ障になりそうだよ。



ーーーーーーーーーー






『おーまいがー』



「うん、綺麗だね名無しちゃん」



『これマジで私?まじで?』


「なかなか良いじゃないか名無し」



『仙さまの隣も歩けるよこりゃ』



「口が悪い」



『いでぇ!』



さぁ、やって来ました初バイトの日です。
楽しみすぎて日の出前に起きた私は早々に身支度を済ませて約束の時間にタカ丸さんの部屋に行き(来てくれるって言ったけどやってもらうからには行くと言い張った)髪の毛のセットアップをしてもらい何故か突然現れた仙さまに室町風化粧を施してもらい別人に生まれ変わりました。


おやまぁ私じゃないみたいだ!



お礼も考えないといけないなぁ私に出来ることは有るだろうか…あ、でも禁宿に取り入る習いが云々だから限界があるな


精進して参ります。


「名無しさーん!準備でき…」


「どうしたのキリちゃ…」


「何々ー?二人ともどうしたのぉ?」



迎えに来てくれたキリ丸先輩と乱太郎君が固まっとるがな

あまりに私の変貌に驚いてるな?へっへっへ



『どやぁ』



「下品」


『いでぇ!』



まぁ変なことするたびに仙さまに制裁を食らうのですが我々の業界ではそれをご褒美というのですごっつぁんです



「…何か不純な事を考えているのか名無し、次は焙烙火矢が火を吹くぞ」


『ごめんなちゃい』



にんじゃえすぱーこあい


それから心配なのか六年のみんなが見に来てくれて変貌具合を誉めちぎられニヤニヤしてたらキリちゃんに腕を引かれ時間が無いから早くと言われて全力疾走でお団子屋さんに向かうこととなった




『いらっしゃいませー』


「お嬢さんこっち注文頼むよ」



『はーい!』


「お姉さん!こっちも頼むよ」


『お待ちくださいなお客様、あぁ私が分身出来れば!!』


「あははははは!」


『お団子6本とお茶お待ちどうさまですー!熱いですからねーおきをつけて!』



「名無しさーん!こっちのお団子お願いします!」



『あいよ!へい!お兄さんお待ちどうさま!甘いもの食べて美味しいお茶のんで休憩してってねー!おかわりもどしどし応募してるよー!』



「おう!」



「お嬢さーん」


『あいよー!』



楽しい!楽しすぎるぜお団子屋さん!何回汗だくで化粧直したかわからん!
その度にめっちゃ呼ばれるし!でも超楽しい!




「やぁ」



『いらっしゃいま…あらー!お久しぶりです!』



忙しくバタバタしてたら包帯の男…まぁ雑渡さんだよね、いらっしゃいました!



「最近仕事が忙しくてね、学園の仕事はやめて茶屋でバイトかい?」


『まさか!御存じでしょう?今日はお手伝いですよ!』



「へぇ、そうなんだ?あ、だんごを3本とお土産に30本包んでくれる?」



『もう!私の事なんでも知ってる癖にぃ!かしこまりましたかしこー!』




きっと偵察的な感じで見にきたんだろうなぁ

いや、でも会えて嬉しいからいいか



お団子持っていったらお侍さんみたいな人と打ち解けててやっぱり忍者スゲーと思った。これがプロなんだね


『お待たせしましたー。お茶とお団子3本とお土産でーす!』



「あぁありがとう」



スマートに受け取ってまたお侍さんと話始めたからきっと有益な情報でもあったのかな?

うむうむ、お仕事してるなぁちゃんと

伊作くんに教えてあげよう!雑渡さん仕事してるのかな?って言ってたし

あ、教えても良いことなのかな?わかんねー!




人の波が引いてきた頃雑渡さんは一声「また会いに行くね」と言って帰ってっちゃったけどまた来てくれるらしいのでオールオッケー!



「お疲れさま!今日はみんなのお陰で大繁盛だよ!さ、これはお駄賃。こっちは帰ってから食べて」



「わーい!僕お腹ペコペコー!」



「しんべヱ!帰ってからだよ!」



「あひゃあひゃあひゃまいどー!」



『お疲れ様でした!楽しかったです!』


「あんたはホントによく頑張ってくれたからね、お駄賃も色を付けといたよ」



『やだ女将さん!ありがとうございます!』



「良いのよぉーその代わりまた来てちょうだいね!」



『はい!機会があれば是非!旦那様も今日はお疲れ様でございましたー!』



「おー!」



『さ、みんな帰ろうか』



「「「はーい!」」」






『あ、キリちゃん』


「?なんすか?」



『これはキリちゃんに』


「え」



「ええ!名無しさん頑張ったのにお駄賃あげちゃって良いんですか!?」


「キリ丸は絶対に返してくれないよぉ?」




『最初からお手伝いで行く予定だったかし。私に商売のいろはを教えてくれたのはキリちゃんだしね!授業料ってことで!あ、でも色を付けてくれた分は私が貰うね!』



「そ、それは別にいいっすけど…ホントに貰っていいんすね?」


『もらうもなにもキリちゃんの銭ですがな』


「…まぁ貰えるならもらいます」



『うんうん。あ、後でお金の使い方教えて?これがどのくらいの価値かもよくわからないから』



「お安いご用っすよ!」



『うむうむ、たのんますよ先生!』



楽しかった!でもこれから一戦あるんだよね。



敗けは死を意味する世界だから



せめてこの道が、少しでも長くあればと




思わずにはいられなかった





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