笑えや笑え

□く
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「で…結局聞けなかったと」



『そおおおおおおなんだよおおおおおおおおお!!聞けなかったんだよおおおおおおおおお!!喜八郎君お風呂でぶっ飛んで気を失って平君に回収されちゃったんだよおおおおおお!』




あのあと綾部君に風呂場に連れてかれ1ヶ月ぶりに風呂に入った私



傷口は塞がっててあんまり痛くなかったけど喜八郎君はとても悲しそうな顔で体を擦ってくれてそれが心が痛かった



ってかお互い真っ裸だからね



肌も打撲痕とか切り傷痕ばっかで色気も糞もないから喜八郎君もたたないと思ってたけど彼は立派な健康男児でしたよ



ちゃんとたってた




「見てください立ってます。名無しさん貴女はちゃんと女性です」




ってさ




どうなのこれ



途中でくのたまちゃん達が来て綾部君がぶっ飛ばされて説明したんだけど「嫁入り前の女子の裸を触るなんて論外」と一蹴りされ、彼女らに風呂にいれて貰った


平君が来たときはくのたまちゃん達ががっちりガードしてくれたから顔すら見えなかったけど「私のファンである名無しのさんにこれを」と薔薇を貰ったし



いやもうこれはマジで平君のファンになったわファンサービスよすぎ



くのたまちゃん達が「はよ行け変態!」って言ったらシュンってして居なくなったけどね





「綾部を名前で呼んでるんだね…」




『うん、呼んでくれってさ』




くのたまちゃんたちにお礼を言ったらどこからともなく現れた善法寺君によって捕獲され今打ち身に効く薬を塗ってもらっている



アザってのは中々直らないもんだね





「…僕が最初に話したのに」



『えー?何?なんか言った?』




「僕も伊作って呼んでよ」



『いいの?私名前で呼んだら友達と思ってるけど』




「僕らは友達でしょ?」




『えー?違うよー主治医と患者』



「主治医…って僕は友達になってると思ってたけど」




『なにそれ幸せじゃん!一緒に遊びに行ったり出来るの?』



「まずは散歩からだけどね」



『主治医じゃーん…ま、いっか嬉しいし伊作君って呼ぶね』



「じゃぁ名無しちゃんね」



『ふふ、照れるねぇ』



「そうだね。はい、出来ました」



『ありがとうー』



「今日は留さん居ないから違う人が届けてくれるよ」



『へー立花くん?』



「女装した仙蔵と留さんで実習なんだ」



『なにそれ見たい!立花くん絶対美人だよ!?超みたい!カップルでデート風?』



「夫婦」



『ひょー!!!!やべぇ!!!胸熱!!!帰りに来てくれないかなぁー』


「どうだろうね?あ、でも名無しちゃんにお土産でも買ってくるって留さん言ってたよ」



『乙女!!!!流石!!!あーでも、立花くんに私と言うものが有りながら他の女の子の事考えてるの?とか言われて買ってこなさそう』



「あっはは、有りそう!」



「ねー!」




スパーン




『うわ!ビックリした!!なんだ!?敵襲か!?』




「楽しそうだないっさくん!私も混ぜてくれ!」



『え、誰?』



「…モソ」



『え、誰?』




「小平太…仮にも女の子の部屋だよ?声くらいかけなよー夕飯ありがとう長次」



『えー…だれー?』



「紹介するね、同じ学年の「七松小平太だ!宜しくな可哀想な天女!」で、こっちが」



「…モソモソ」



『な、かざい、け、長次さん?どうも…名無しの名無しです。四人目の天女です』コソッ




「なんで名無しちゃんまで小声なの」



『中在家さん?が小声だから』ヒソ



「…普通で構わない」



『あ、そうなの?どうもよろしくしなくていいです』



「よろしくしなくていいのか?」



『天女とよろしくしたら駄目なんでしょ?』




「細かいことは気にするな!」



『気にしないと殺されちゃうでしょ?』



「名無しちゃんは死にたいのか?」



『死にたくないからよろしくしないんだよ』



「ふーん、やっぱり変わってるな」



『お前もな』



「なはは!私は小平太でいいぞ!」



『あははー!七松くんおもしろーい!』




「はいはい、ご飯食べよう。僕アジフライの方ね。あ、長次文次郎は?」



「…興味ないと」



「そ、か」




「じゃぁ私と名無しちゃんは唐揚げだな!」


『イエーイ唐揚げー!あれ?七松くん煮豆食べないの?旨いよ』



「食べれないことはないが好きじゃないから名無しちゃんにあげる」



『まじで!?食物繊維だよ??頂きます!じゃぁ唐揚げ一個あげるね』


「!!名無しちゃん!いいヤツだな!!」



『七松くん唐揚げで買収したったぜー!もう一個あげよう』



「…モソ」



『ん?中在家君も唐揚げあげようか?代わりにそこのトマトくれ』



「…あぁ」



『伊作君、君はその美味しそうなお新香と唐揚げを交換してくれぃ』



「えー僕も?名無しちゃんの唐揚げ無くなっちゃうよ?」



『五個あるから平気でしょ、うわ!中在家君!アジフライ半分くれるの!?そんなに食べれないよ!ご飯あげるね!』



「…沢山食べろ」



『まじかよ!私売却!中在家君マジイケメン!もう好き!』



「なはは!名無しちゃん面白いな!長次!」



「…モソ」



『ふふ、照れるねぇ』





「褒めてないと思うけど…あ、僕のトマトもあげるね」



『わーい!野菜大好きー!』



「名無しちゃん!」



『んー?』



「ユウスケってのは誰だ?」



『…流石忍者ね、もうそこまで情報が回ってるんだ』



「ゆうすけ?誰?」



『裕介は私の最愛の人だよ』



「!!」



『彼氏とか旦那ではないけど、兄みたいな弟みたいな頼りになるけど放って置けないような…なんて説明したらいいのかわかんないけど、大好きな親友かな?』



「そんな人が…」



『うん、私がこっちに来る直前まで一緒に居たんだけど…ね、』



「会いたい?」



『うん、話したいこと沢山できたから』




「そう…」


『伊作君にお世話になってる事とか一年は組の子達と仲良くなれそうだとか乙女はイケメンとか立花君マジ美人とか五年生はよくわからん事とか喜八郎君のターコちゃんの事とか平君って凄い人に会ったこととか、それと七松君と中在家とご飯食べたこととか

全部全部話したい、んで、お前男ばっかりじゃねぇか!女子はどうした!紹介しろ!とか言われるんだよー絶対!』



「…」



「いいやつなのか?ユウスケは」




『うん、いいヤツ。でも頭ん中おっぱいの事しか考えてない健康思春期男児』



「…小平太と一緒」


「私は乳だけじゃなくちゃんと尻も見るぞ!」



「聞いてないから」



『あははー私は腹筋!腹筋見ちゃうね!綾部君ヤバいよ!あんな細いのに』




「私の方が凄い!!」




『きゃーーーー!!七松君素敵ーーー!なにこれ!!触っていい!?』



「いい!でも名無しちゃんも触らせて!」



『ご期待に添えない貧相な乳でよければ』



「そうなのか?」

『うん』

「結構あるよ」

『いやん、伊作君!やっぱり見てたのね!エッチ!』

「いつ触ってやろうかと…留さんに殴られそうだからやめたけどね」



「…伊作までやめろ」



『ふふ、あはははははははははあっはははははは!』


「ふふふ、名無しちゃん笑いすぎ…ぷぷっ」



「あっはははははははははは!面白いなぁ長次!!」



「…あぁ」




『はぁー笑った笑った、ご馳走さまでした。』



「あ、名無しちゃん滝と仲良くなったそうだな」




『滝…あぁ平君?ファンになったの、バラ貰った!一本の薔薇は"貴方しか見えない"とか知らないで贈ってくれたんだろうね』



「貴方しか見えない?」


「…花言葉」



『そうそれ!なんだかロマンチックだなぁと思って覚えてたんだけど多分平君は知らないでくれたんだね』




「滝夜叉丸なら知ってそうだけど…」



「知ってても知らなくても良いじゃないか!良かったな名無しちゃん!」



『嬉しいよー薔薇貰ったの初めてだし!ふふ、大事にしよーっと』



「なんで逆さに吊るしてるんだ?」



『この部屋花瓶とか無いからドライフラワーって言う枯れても綺麗に見えるやつ作ろうと思って』



「ふーん…出来たら見せてくれ!」



『わー、平君のためにも七松君に見せるためにも綺麗に作らなきゃねー』




「さて、そろそろお開きにしようか」



「おやすみ名無しちゃん!」


「…おやすみ」



「またね、おやすみ」



『ほーい!またねーおやすみぃ』





やっぱり誰か来て、帰ったあとは寂しくなる…寝るまで勉強しよう



結局乙女と立花君は来なかったな…嫌われてんのかな?

ま、いっか明日は誰が来てくれるのかな…ふふ、ちょっと楽しみ。




綱渡りの縄が軋む



本物の命のやり取りだ


命綱は無い



思い出が増えれば増えるだけ



重りが増えていく




ふらふら



一歩一歩確実に



ゴールはまだ見えてこない






さて、数学でもやりますか



行くぜ数学!!!






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