笑えや笑え

□は
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「名無しさーん!」



『猪名寺君!助けて!』


「もー、駄目ですよ!ちゃんと薬飲まないと!直るものも直りませんよ!」



『でも、でもね猪名寺君!苦いよ!善法寺君の薬苦いよ!』



「僕、早く名無しさんとたくさんお話したいです!だから早く直してください!」



猪名寺君…




素敵!やっぱり一番!



『ふ、君の瞳に乾杯』




うげぇぇぇぇぇぇぇぇぇにがいいいいいいいい!!



「名無しのさん!あ、乱太郎」



「伊作先輩!名無しさんちゃんと全部飲みましたよ!」



「こんなに素直に飲んでくれるならこれからは乱太郎に頼むよ」



『うぇ…まずい』



「大丈夫ですかな?」


『うぅ、まじゅい…でふ…ってあらダンディーないい男?』



「ふふ、は組の残り半分でーす!」


「それと山田伝蔵せんせいでーす!」



え、もう来たの?早くない?




『えーっと名無しの名無しです。そこの善法寺君と同い年です。っていない!?いつの間に!?』



「私が紹介しますね!右から佐武虎若、加藤団蔵、夢前三次郎、皆本金吾、笹山兵太夫、そして私が猪名寺乱太郎です!!」



『はい、佐武君、加藤君、皆本君、夢前君、笹山君、そして猪名寺君だね!』



「あたしが、山田伝蔵です。」



『先生!ここわからないので教えて下さい!』



「…見てみようか」


「わー!僕たちも見たい!!」


「うわー!細かい字!」


「どうやってこんなに小さくかけるんだろ?」


「これは何てかいてあるんですか?」



『えっと、これは…何故冬場は息が白くなるのでしょうみたいな感じかな?私がわからないのはこれじゃなくて…』



「すごい!!!名無しさんは何で息が白くなるのか知ってるんですか!?」


『え?あぁ、うん、まぁだいたい…』


「教えて下さい!!消す方法とかもあるんですか?」



「消せたら凄いよね!」



「先生は消せますか!?」



「いや、そこまでは無理だ。だから潜むときはなるべく息を吐かないようにするんだ」



「へー!で?名無しさん!出来ますか?」



『んー…結論から言うと無理…かな?』


「何でですか?」


『人には体温があるでしょ?ほらこんな風に今私の手は冷たいけど皆本君の手は暖かい。皆体温があるから生きていられるし暖かいのね、人が寒いとき息を吐くと白くなるのは体温がある体から出された空気、つまり息が外の冷たい空気に触れて白くなるの

ヤカンや鍋がグツグツしてるときに湯気が出るのと同じこと。

だから故意に止めるとなると外の気温と同じか近い温度の息を吐かなきゃならなくなっちゃう。だから実質無理なの』



「なるほどー」

『これ以上難しいことを聞かないでね?授業より難しい話になっちゃうよー』



「「「「「何となくわかったのでもーいーでーす!!」」」」」



『あはははははは!だよねー!』



「未来はこんなことをお勉強するんですね!」


「ねぇ名無しさん!未来にはどんなからくりが有るんですか!?」


『からくり?んー皆が驚くようなからくりがたーくさんあるよー?自動で動く鉄とか人形のからくりとか空を飛べるものとか!』



「すごーい!」


「兵太夫はからくり作りの天才なんだよ!」


「僕も手伝ってまーす!」




『そりゃすごい!ものを一から作れるなんて尊敬!!笹山君と夢前君は凄いねー!!』



「「えへへー」」


「ちなみに金吾は剣術、団蔵は馬術、虎若は火縄銃が得意なんですよ!」



『す、すげぇ…私剣道なら少しできるけど剣術まで行くと…無理!すごいね皆本君!』


「えへへーまだまだですけどね」


『馬術かぁ…私馬は見たことあるけど触ったこと無いかもなぁ、乗れるなんて凄いねー加藤君』


「へへ、実家が馬貸しなんですよ!」



『火縄銃か…見てみたいなぁ。私は教科書でしか見たこと無いや…本物を触って扱えるなんて尊敬するよ佐武君!』




「えへへー僕もまだまだ修行中ですけどね」


「皆とっても凄いんですよ!!」



『うんうん!皆凄いね!勿論猪名寺君、君もね!』


「え!?私ですか!?私はそんな特技も走ることくらいで…」



「乱太郎はは組で一番足が早いんですよ!」


「絵だって旨いし」


「手当ても出来るしね!」


『あとねぇ猪名寺君は優しいし男前だしーとっても素敵だよ!』



「ええ!?えへへ/////」


「不運だけどね」


「もう!団蔵!」



『「「「「「あはははははは!」」」」」』




楽しい時間は本当にあっという間だ


前回同様少し皆のことがわかってきたところでお開きとなった。


皆に別れを告げた後山田先生から



「私もまた話を聞きに来ても良いかね?」



と、素敵な笑顔で聞かれたので



『先生のこと、教えてくださるなら』




なんて返したら


「私には妻も君より大きな息子もいてね、まぁ、しばらく帰れてなくて催促の手紙が来ているがこれがなかなかな…」



『さぞ、素敵な奥様なんでしょうね』



「あぁ、あれはとても良くできた妻だよ」



『ふふ、愛してらっしゃるんですね』



「…大人をからかうんじゃない」



『えー?私の居たところにも単身赴任の先生が居ましたけど"良くできた嫁で"って言いながら先生と同じ顔してましたよ、夫婦なかが良いのは素晴らしいことです。心温まるエピソードありがとうございました』



「君は…もう少し自分を大切にしなさい」



『私には私を私以上に大事に大切にしてくれる人が居まして…そいつのお陰で好き勝手出来てたのでその癖がついてしまっているみたいで、善処しまーす』




最後にくしゃくしゃと撫でられた頭は




幼き日の母を思い出す




とても心温まる、悲しい記憶を甦らせて




私はまた机に向かった





数学、君に決めた!!



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