笑えや笑え

□か
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あれから数日、



月日がたつのは早いもんですね。

私はこの何日間かほぼ寝て過ごしましたよ


いえね、ただ寝るだけなら良いんですよ


でも怪我からくる高熱や痛みに度々うなされその度に私が暴れるから駆けつけてくる伊作先輩とやらに押さえつけられて心も体もボロボロですよ



ようやく(暴れるほど)うなされなくなってからは部屋を移動。
4〜5時間置きくらいに新野先生か伊作先輩が見に来てどこか痛いか?と聞かれてご飯と(めっちゃうまい)薬を(糞苦い)置いてすぐいなくなる。




体も治って来てていい加減暇だ、持ってきてた荷物は預かっておくと言われて本もないし教科書もないから暇で暇で仕方ない


寝るのも寝過ぎて寝れなくなった。


なんか無いかな…


筆、紙、墨




習字か


うむ、やるか






−二時間後−



「失礼します。お加減いか…なんですかこれ!!!」



『あー暇だー』



置いてあった紙はたったの10枚、どんだけゆっくりかいても30分で終わった



とにかく隙間を埋める作業で迷路を作った、ちょっとはまって作っては解いてってやってたら真っ黒の紙が10枚出来上がちゃった




真っ黒になった紙を見て何を思ったのか様子を見にきた伊作先輩とやらに



「あ、後で本でも持ってきますから大人しくしててください!!」


と言われてしまった。


どうやら頭がおかしくなったと思われたようだ



まぁ元々彼には"可哀想な人"という印象だしね。

気にしない気にしない



あのとき私に傷口を掴みかかった彼が呆れて目が点になるほどだもんな


気にしてらんないよ全く




『あのー鞄はまだ返してもらえそうにないっすか?』



武器とか入ってるかもしれないからなんとか先生が預かってるという私の鞄

とにかくあれさえあれば一応受験生だし勉強したいからいくらでも時間を潰せるのに



「…頼んでみてるんですが僕以外が反対してて」



『勉強道具だけでも…参考書とノートと鉛筆だけでいいからだめですかね?』


「うーん…聞いてみますね」


『おなしゃーす』


「次腕です」


『はい…それまでなにするかな』


「あ、じゃぁこれあげるよ。塗りつぶさないでね」



そういって渡されたのは新しい紙



よっしゃ大作の迷路つくろーっと



「ねぇ、名前は何て言うの?」


『あぁ世話になってるのに自己紹介もしてなかったね。名無しの名無し。15歳。紫瀾中放送委員会委員長、趣味はガーデニングと読書、特技は速読と暗算、バク転出来るよ』



そんくらいかな? あ、あと


『簡単な生い立ちは父と母が幼いときに離婚して新しい母が来て兄ができて…まぁ色々あって親戚に預けられて今に至るって感じ』



「…同い年だね」



そこ!?そこ引っ掛かったの?!

まぁ良いけどね



『えっと、じゃぁ敬語じゃなくていいかな』



「(元からあんまり敬語じゃなかったけど)うん、僕は善法寺伊作。この学園の保険委員会委員長だよ」



『あ、伊作って名前だったのね名字かと思ってた』


「え?僕の名前知ってたの?」


『うん、ほらあのモジャモジャ眼鏡の少年…確からんたろうくん?が呼んでたから』


「あぁ、じゃぁ同室の…」



『あぁ、乙女さん?』


「お、おとめ?」


『とめさんって呼んでたでしょ?だから乙女かなぁって』



「そ、そっか。はは、留さんおとめか…ぷぷっ」




『乙女さんは怖い顔ってイメージ』


「笑うとなかなか良い男なんだよ」


『あーなんかわかるかも、怒ってる顔でもアレだけ印象に残ったし。
って善法寺君も良い男じゃん!イケメン』



「え?そ、そうかなぁ?」



『優男系だよね、モテるでしょ?』

「う、うーん…」



『私はねぇー一応告白とかされたりしたよ
守ってあげるとか、俺ならもっと綺麗にヤるから』


「そ、それは…うん、どんまい」


『はは、馴れたもんよ』



からからと笑うと少しだけ悲しそうにしてじゃあいくねと部屋を出ていった



さぁて貰った紙を塗りつぶす勢いで迷路つーくろ


貰った紙全部つかって超大作にするぞー!
ポイントは筆の先しか墨を浸けないこと!!


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