笑えや笑え

□か
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『動くなよ…動いたら乙女の首からビシャーだかんな』




「乙女じゃねぇ!食満だっ!」


『自分から名のってんじゃねぇーよばーか!バカなの死ぬの?』


「るせぇ!」



『っ、ばけもんかよ!』


力強すぎ!ちょ、腰ひも引っ張んないでよ!!


「お前こそっ、なんだよこの力は」



『っせぇですー!あ、暴れんなバカ!刺さるだろうバカ!』



「馬鹿はお前だ!こんなことしてなんになる!」



『なんもならんわ!私一人悪い!それは変わらん!!』


もう後にも引けないの




「わかってんならっ」



『うるせって!今からでるの!はよこいやおらっ!』


ごめん、乙女



「させるかよ!」



『っ!あーもー!乙女!お前マジ使えねぇな!善法寺君!チェンジ!!』


ごめん、善法寺君



「るせっ、離せ!」




『ばっ、あぶねぇって!ほんと!刺さるから!』



「刺してみろよ!」



『やだよ!あーもー!お前なんか馬の糞に足滑らせて転べ!』


「あぁ!?」



『あ?なんだこらやんのかおら!』



「望むところだ!やってやる!」



『おら、表でやがれおら!』






「ああ、出てやるよ!」



来た!このまま走って出口まで…



「留三郎!!!なにのせられてんだてめぇ!!!!」



「あ」



『ぷっぷー乙女だっせー』



ってヤバい私出口の場所知らないじゃん!!



「んのやろぉー!!!」


『きゃー乙女が怒ったー鬼さんこちらてのなる方へー』


適当に走る!!!




あ、ヤバい。


背中の傷っ、痛いっ



「上等だごるぁ!」





追い、着かれるっ!!




「ぬぁにしとんだこのバカ垂れ!!!!!」












ゴチンッ!!!







っと豪快な音を立てて私と乙女が拳骨をくらう




するとどこからか笑い声が聞こえて



それに包まれるように学園全員が笑いだした





頭を押させ悶絶している




私と乙女以外はだ






ーーーーーーー




『あああああああああああ!!』



「もう!この怪我で走り回るから!また暫くこの部屋から出ちゃダメだからね!」


『善法寺くうううううううううん!!!容赦ない!!!容赦無いよ君いいいいいいい!!!』



「煩い!もう!留さんの首に刀みたいなの押し当てて逃げようだなんて!君はバカなのかい!?せっかく僕が君が安全で無力だと説得したのに!!」



あのあとせっかく治りかけていた傷口は再び開き急いで医務室まで連れていかれ今に至る



善法寺君は誠に容赦の無い男で薬を塗るのは勿論のこと特性のめちゃくちゃ不味いよく効く薬を飲まされ包帯をきつく巻く。


痛いしにがいしくるしいしで目眩がヤバイのに落ちそうになる度、しゃんとしろと言わんばかりに傷口を握る(勿論傷に支障がなく私個人が痛いだけ)




ほんと、糞ほどの容赦も無い男である。




でも、彼は信じてくれたのだ。私を。


それは本当に感謝してる。



痛いから言葉にならないけど



「名無しのさん」



『ん?』


「…」



『いや、何?』



「ありがとう」




彼は何故泣くんだろうか



彼は何故感謝を延べたのだろうか



そのいとはわからないけど





なんだかもうね、今日はもう



『こちらこそ…色々ありがとう…でもごめん、今は何も考えたくないや』




「うん、おやすみなさい」




疲れた



『おやすみなさい、乙女にごめんねっ、てしとい…て』





限界です。


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