笑えや笑え

□か
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「これから学園長先生のところにいく」




と、乙女さんこととめさんが突然来て私は連れて行かれる


しかもご丁寧に縄で手首と腰辺りを繋がれて…って!!


これじゃまるで犯罪者やないかい!

青のジャンパー掛けられたらまさにやでしかし!



んでなぜか目隠しな


真っ直ぐあるけんちゅーねん



「着いたぞ、六年食満入ります」



『乙女、君、けまって言うの?どーゆー字よ』


「黙ってろ」


『あい』




おー怖い怖い


ガバッと目隠しを取られ膝かくっんされ膝間付いて前を見るとこらまた小さなご老人と犬




正座しお茶を点てる犬



ご老人にお茶を出す犬



私にも立てたお茶を出す犬




いぬぅぅぅぅぅぅぅ?




『す、げぇ』



「ヘムヘムを見るのは初めてかな?」



『ヘムヘムって言うんですか?凄いですね。これは躾?躾で出来るのこんなこと』



「うむ、ヘムヘムの事はよい。名前はなんという」



『名無しの名無しです。危ないところをお助け頂いた上に丁寧な手当てまでしてもらいありがとうございます』



「いや、構わんよ。ワシは大川平次渦正じゃ
善法寺伊作から君のことは聞いている。壮絶な幼少を送ったそうじゃな」



『はぁ、まぁ…』


善法寺くん、君なんて説明したのさ

なんかすげー同情されてるけども、忍者ってこんなことで同情するの?いいの?っは!作戦?作戦なの!?


「まぁその話はあまりしたくはあるまい、この荷物は君ので間違いないかね」



『は、はい。お気遣い有難うございます。助かります。あ、鞄!そうです私のです!』



「ならば中身の説明してもらえるかな?」



『はい、あ、でもどうやって使うかくらいなら説明出来ますけどどうやって作られたかまではわかりません』



「それでも良い」


そう言うと黒い服を着た大人のおっさんが私を鼻で笑う


「自分の持ち物がどうやって作られたかもしらんとは程度がしれますな」



『では、貴方は今日食べた物や着ている服の素材からすべての原産から作り方まで御存じなのですか?すごーい!!さすが先生!!だよね?』

一応乙女に確認すると頷いてくれた、意外と素直ね乙女!





「ふ、知ろうと思えばすぐに知れるだろう」



『あ、では今は知らないと言うことですね?』



「…」


『私もそうです。もとの時代に戻れれば物の作り方や成分の原産地まで知ろうと思えば一歩も動かず知れるんですよ。
でも危なくない安心して使える、それだけで知らなくても良い事じゃないですかね?
どちらの時代でもそれは変わらないのでは無いでしょうか。ねぇ先生、違いますか』







おお??
っふ、勝ったな!

…いや、何に勝ったんだよ余計怖い顔されただけじゃん!!

先生になんてことを!!




『す、すいません!!!あーくそ、内申のために先生の揚げ足取るの辞めてたのに!!申し訳ありません!!』



「いや、私は君の教師ではない…だが、もっともな回答だった。先程のは撤回しよう」


うーわぁぁぁぁぁぁめっちゃ良い先生!!!こんな先生に教わりたかった!!よく見たら眼鏡の似合ういい男じゃないですか先生!!惚れてまうやろー!!


「野村先生宜しいですかの」



「はい」


野村先生ね、脳内メモっと。


そこから乙女に手の縄だけとって貰らって取り敢えず学園長先生に一礼、後ろの先生方にも一礼
(一礼=土下座)

鞄をひっくり返してすべて出しその鞄を乙女に渡すと持っててって意味だったのに…調べてって捉えられちゃったのか乙女が先生の方に回した



まぁいいやもうなんも入ってないし説明を始めよう。


皆睨んできて怖い、私チビりそう



『では、説明します。
これは筆記用具です。鉛筆、シャーペン、消しゴム、ボールペン、赤ペン、青ペン、ピンクマーカー、カッター、それらをしまう筆箱です。カッター、刃物です。こうやって芯を出して紙を切るためのものです。それ以外は書き物をするときに必要な物です

こちらは生理用品、あー月経や女の子のアレと呼ばれるために使う物です。

これはノートと教科書と参考書です。主に勉学に使います。危険は…角で叩くと痛いです、あとごくたまにですが扱いを間違えると指を切ります。

そしてこれは財布です。これが私の全財産です。

これはお守りです。受験生なもんで学業祈願の御守りです。


これは体操服とジャージです。運動するときに使う服です。

これがお菓子です。学校帰りに買い物したので沢山有ります。チョコレート、飴、ガム、クッキー、あ、濡れ煎餅です。


これは小説、サスペンスホラーラブストーリーでラストには全米が涙した超大作海外の小説です。



こっちは鏡と櫛です。二つとも折り畳める仕組みになってます。
あれ、鏡2つも入ってる…これも鏡です。

これがスマートフォンと呼ばれるもので同じものを持った者となら会話や文通が出来る物です。今は役に立ちませんが、写真や動画もとれます。


最後にこれは常備薬です。左から鎮痛剤、便秘薬、吐き止め、胃薬です。


これで終了です。』





もう隠すとか無いです。すべてを出し切りましたからね。

使い方とかこまい説明も込みでやったからやたら話した…喉乾いた、あぁさっき犬からお茶貰ったんだっけ?




「お主が欲しているのはどれじゃ」



『筆記用具、教科書、ノート、参考書です。あとは必要に応じて鏡と櫛、生理用品ですね。貰えたら嬉しいのは小説と鎮痛剤です(善法寺君から貰う薬が苦すぎるから)』



「うむ、許可しよう」



「学園長先生!?危険があるかもしれませんよ!!」


「こいつが嘘をついていたらどうするんです!!」


わぁお…信用ねぇなぁ…当たり前か、忍術学園って言ってだしこの人たち忍者なんだろうから


つっても自分でここに来たんじゃないけど



「ここは学舎じゃ、勉強したいと言われれば学ばせるのが決まりじゃろ」



「しかしこやつは天女ですぞ!」


「また生徒達をあの奇妙な妖術で操り学園をめちゃくちゃにするはずです!」


天女天女って…まぁ天女って美少女だったらしいから悪い気はしないが生憎私はそんな男漁りに乗り込んだわけでも自分から望んできた訳でもないのに…



まぁでもなんだ、先生が生徒を守るために必死なのはわかる。

私はここにいない方がいいんだよね


「即刻始末すべきです!!」


始末…ってことは殺される?


あぁ、また…いや、まてまてまてまて今私のすぐ後ろに居るのは誰だ?


「ならぬ!!」




この人達が必死で守ってる生徒の1人じゃない?





『おい乙女や』

私はここに連れてこられた時から



「黙ってろ」


『うん、でもさ…私のせいじゃん?この喧嘩』


ここにとっては悪


「口を閉じろ」


『乙女、先に謝っとくぜ☆』


居場所なんか最初っからない




「っ!?」




だったら悪役、買ってやんよ



『はいちゅーもーく!!!』






シンとする部屋、言い争いをしていた大人たちが全員こちらを向く




『こいつの命が惜しくば私を外にだせ』




私は自分の荷物から取り上げられなかったカッターを




乙女の首に当てた




それは悲劇かー

それとも

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