うつらうつら

□失恋だったんだよ
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「篠原、何処にいく」


『げっ』



「人の顔見てげっとはなんだ篠原」




『すいませんねぇ…』



「"すいません"じゃない"すみません"だ」




『す み ま せ ん で し た』




私はこいつ、柳蓮二が苦手…




頭がよくデータとやらをつかって先を読み言葉巧みに私をバカにしてくる



そらまぁ私はバカですよ、こないだの中間で国語とか15点だし英語なんて2点だし


その他はまぁまぁ出来るんだけどこの2つがかなり苦手…



その事で先生が私に付けたのがこいつで追試前に二人で勉強しなければならない


「逃げるのは構わないが自分で勉強できるのか?」




放課後と言われてたがすっかり忘れて部活に行こうとしたところ捕まったわけで逃げようと思ったわけではない
でもめんどくさい。





『別に頼んでませんけど』



「ならいいが再追試の確率98%だ」



『…』


「テニス部はミーティングだけで部活ないが俺に頼んできた先生はお前の顧問の先生だろう?」




そうだった…次赤点なら試合に出さないって言われたんだっけ…



『ヨロシクオネガイシマスヤナギクン』



「あぁ」




私には頼らざる負えない



なんたる屈辱!!


「しかしここも図書室もよくないな…」




という事で立海最寄り駅の近くのファミレスに行くことになった


図書館でも良かった気がするけど教えてもらうのに文句は言えないので二つ返事でOKした。




「先ず国語だが漢字が破滅的にダメだが書いて覚えるというのは一人でもできるだろう?ならば文章題の方のコツを教えるからやってみろ」



『あい』



そういって渡されたのはなにやら書き込みの沢山ある問題集だ


元々本を読むのは好きだから文章を読むことは億劫じゃないんだけどテストとなると読む気がなくなり嫌になっちゃうんだよな…



と思いながら読むと、赤ペンの書き込みはポイントをしっかり押さえていて分かりやすくすらすらと入っていった




「出来たか?」




『んー待って…これ…わかんない』



「ここはこの文の意図を書いてある場所の文だ」


『…これ?』



「正解」




ふむ、難しい






それから30分位かけて範囲をおえて一旦休憩となった



『頭使った…』



「まだ英語が残ってる」



『はぁー英語なんか出来なくても困んないよぉー』



「そうか?日本にも英語が沢山使われているところがあるから覚えておいた方が今後のためになるぞ」



『確率で何%よ』



「100%だ、知識は多くあるに越したことはない」




『ちぇー…』



「英語が終わったら甘いものでも頼もう」



『ってか腹へりんちょ』



「なら食べて帰ろう、家に連絡しておいた方がいい」




何だこの感じ…柳のやつなんかちょっといつもと違う?




いつもならこうもっとバカにしたような感じで
そんなに甘いものばかり食べたら太るぞその確率〜、とか
腹減ったぁと言えばお腹すいたと言え、とか言うくせに…





それから英語も一時間位かけて丁寧に教えてもらった。

あまりにも私がバカすぎてテスト範囲のみを重点的にやったらしい、すまねぇなぁと言ったら赤也と比べたらお前の方が教え甲斐があると言われた

赤也ってあれでしょ?ワカメみたいな髪型の、あの子も英語苦手か…仲良くなれそう




「時に篠原、少しデリケートな質問なんだが良いだろうか」



『ん?』


参考書を閉まってなに食べるかなぁとメニューを見ていたらなにやら真剣な顔…え?やだ鼻毛でも出てる?


「同じ部活の宮下…と付き合ってるのか?」



『は?鼻毛じゃないの?』




「鼻毛?」




おおっと墓穴掘った



『いや、何でもない。えっと、何だっけ?宮下?』



「あぁ」



『…それはお得意のデータとやらで解ってるんじゃないの?』




「調べてない…聞きたくなかったからな」




『んじゃ聞きたくないこと何で聞いたのさ、私がコクったことは知ってるんでしょ?』



そう、つい昨日の話だ、忘れてたのに掘り返しやがってやっぱ嫌なやつ!




「好きなんだ」




『は?』




「俺は篠原が好きなんだ、だから興味はあったが聞けなかった…」





そういって俯く柳をみて冗談やめてなんて言えなくて





「…すまない」




お得意のデータは、私が告白してOKをもらえる確率を計算した顔だった



『…好きな人が居るんだってよ宮下』




「!?」





『フラれたよ』




そんな驚くことかいなってほど驚いてんな柳のやつ



その顔が面白くて噴き出してしまいそうだったが何とか耐えた。


耐えたらなんかバレたみたいですぐムッとしてて柳も分かりやすいやつなんだなって思えた




『んで、さっきの告白の事なんだけど』



「あぁ、解っている。今はまだ答えをもらう気は更々ない」




『あっそ、わかった』



「だが」



『ん?』




「これはデートだと思っていいと言うことだな」





『んまぁ…そうゆうことになりますな』




「追試の結果がよかったら次の休みにもデートをして欲しい」



『柳って以外と積極的なのね』



「フリーだと解ればこっちのものだ」



『へー』




「返事は?」




『何処行く?』



「そうだな、行きたいところはあるか?」




『海』




「意外とロマンチストだな」




『柳と海って似合わなそうだから』




「それはどうかな」




『データの録り甲斐があるっしょ?』




「俺がとられるのか」



『いいじゃん、海決定』



「ならその次はモネの展覧会に行こうか」




『えー?絵画なんて見たこと無いよ』



「データだ」



『データか』



その会話がなんか面白くて追試、ちょっと頑張ろうって思った



告白して、フラれたことにあんま実感がなかったけどこうして違う男の子と話をしてるとなんだかじわじわと染みてきて



今柳がそれを端からじわじわと塗り替えていってくれてる



なんかいいかも




『よーし汚名挽回だー!!』



「"汚名挽回"じゃない、"汚名返上"だ」



『まじか、え?じゃぁ挽回は?』



「名誉挽回だ」



『柳頭いいね』



「…」






なんかごはんも奢ってくれて家まで送ってくれた。


次の日からはバンバン話しかけられいい間違いや言葉の訂正を細かくされた


何があってか私がそれを嫌に思わなくなってて友達に「今日は愚痴んないのー?」と言われたが『汚名って挽回じゃなくて返上らしいよ』と言ったら「柳君このこの事一生ヨロシク」とかいって去っていった。意味わかんね



「一生よろしくな篠原」



『シクヨロ』




まぁまだ好きとは遠いかもしれないけど好きなところはできてきたよ




とりあえず追試がんばります。




汚名返上のために



ーーーーーーーー

デートの日




『私すごいよね!誉めて!』



「あぁ、何度だって誉めてやろう。だから次も頑張れ」



『英語で80点とか!国語92点とか!!』



「あぁわかったからはしゃぐな…美術館だぞ」



『雨恨む…海行きたかった』



「次があるだろ?」




『約束ね』



「勿論」




『ねぇ柳』



「なんだ?」



『私の何処が好きなの?』



「データが通用しないところだ」



『ふーん、私はねぇ頭いい所と顔がいい所と意外と甘いもの食べる所かな』





「っ///////」



『照れてる照れてる』




「本当に…」




『ん?』




「名無しさんが好きだ」




『てれるぅー』





終わって!



あれ?失恋要素薄くない?あれ?バカップルだっけ?あれ?私の知ってる柳君がいない?あれ?

汚名返上っていっぱい言ってますが私が最近知った事だったので使いました。因みにテストの点は私が中二の時の期末で出した奴です。回答ずれてて追試orz

なんかごめん柳君!君に幸あれー!!



スルメ

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