うつらうつら

□失恋してました
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そこから映画館を出て本屋に寄って良いか聞くと笑顔で頷かれ本屋内は別行動かと思いきや付いてくる…好きなところを見てきていいよと言ったが連絡先を知らないので…と言われ撒くことは出来ないと理解、そして連絡先を交換しようやく一人になれた




ふぅ、なんかめっちゃなついてくる犬みたいで普段の柳生君からは想像できないな




さて、私がこの本屋に寄った目的を果たそうではないか…それは




『こんにちは』




「やぁ、いらっしゃい篠原さん」





この本屋の店員さんの宮崎さん…私の憧れの人だ



「予約してた本入ってきてるよ」



『やったー!ありがとうございます!』






憧れで、恋をしている









でも、






『お子さん元気にしてますか?』





「うん!見てみて?こないだ寝返りをうったんだ!」






そう、奥さんもお子さんも居るってこと




これを知ったのは一年前だ




それでもこの本屋さんを利用するのは私のエゴであり意地である。




「あ、篠原さん!良かった連絡しても返事がなかったので…」




「お!篠原さんの彼氏?イケメンだね」




『っ、ち、違います!お友達ですよ!』





「えー」





っく、柳生君め!なんてタイミングが悪いんだ!





『じゃぁまた来ます!いこ、柳生君』




「あ、はい、それでは失礼します」




「またお越し下さーい」






はぁ、何でこんなことになったんだろう…





「篠原…さん」





『ん?』





「先程の店員さん…好きなんですか?」





『え』




「雰囲気が、その、いつもと違ったので…」





あー、バレてら



『うん、まぁ』





「そ、そうでしたか」



『うん、柳生君は居ないの?好きな人』






「え?あ、はい、篠原さん!」




『は、はい 』





「私は!」




『いや、もう遅いからもう少し声のトーン落とそうか』





「あ、はい、すみません…」





『で?なに?』





「…映画」




『映画?』





「後編、一緒に見に行きませんか?」




『あー…今日のやつね…うん』




「も、もうあんなに泣きませんので!お願いします!」





『わ、わかった、わかったから頭あげて!』




いくら人通りの少ない道とはいえ全く人がいない訳ではない道だ

通りすぎる人ビックリしてるからね?!




まぁ、今日が終わればまた、平凡な日常に戻って柳生君とも他人以上知り合い未満の関係に戻れるだろう。




映画の後編の公開は来年の2月、半年後だ




忘れてるだろうなその頃には









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