うつらうつら

□失恋してるんだよ
1ページ/1ページ





立海にはミスコン、ミスターコンがある。


海原際で投票され決まるものだ



男子は言わずともわかるだろうあの幸村先輩だ


三年連続で一位を獲得している。



後輩として本当に鼻が高い




問題のミス立海の方も三年連続で同じ人、俺の憧れであり皆の憧れの的、篠原先輩だ。


彼女を知ったのは入学式の日、司会進行を淡々とこなし、凛と良く通る声で始まる前までガヤガヤしていた会場が彼女の『静粛に願います』の一声で静まった時は鳥肌がたった。


篠原先輩は書道部、茶道部と弓道部を兼部していて成績もいつも柳先輩と張り合っていた。中間で柳が一位なら期末で取り返すみたいな



頭のいい先輩としてもとても有名だった



そんなすごい先輩になぜ俺が接点を持てたかと言うと柳先輩のお陰だったりする

英語のテストで赤点を取ってしまった俺に最高最強の家庭教師として篠原先輩を紹介してくれたのがきっかけだった




嫌な顔をせず解りやすく丁寧に教えてくれる篠原先輩にますます惚れたのは言うまでもないがそれ以前に笑った顔が半端なくツボだった



そう、とてつもなく可愛い




美人で頭もよくて運動もでいる篠原先輩だが笑った顔がとんでもなく可愛い



先輩の笑顔見たさに勉強頑張りまくって68点取ったときなんて笑顔で頭を撫でてくれて『よく頑張ったね』と言ってくれた。


嬉しくて嬉しくて次も頑張ろう、次はもっといい点を取ろうって本気で思った





でもそんな思いも一年の終わり頃、打ち砕かれた



俺は見てしまったんだ…




篠原先輩が柳先輩に告白しているところを






それからはテニスだけ頑張った




二人は多分付き合ったんだと思う


実際の事は知らないけど


二人が一緒にいるところを見てお似合いだって思って、んで、あの勉強会はどう見ても俺は邪魔者で、二人でしたかっただろうに俺のせいでって思ったりもした。



考えて考えて、ようやくたどり着いた答えは一人で勉強すればいいってことだけだった。




でもそんなのうまくいかなくて




二年の秋、海原際が終わった後にある中間で柳先輩直々に勉強会をすると言われてしまった。


あぁまた俺は二人の邪魔をしてしまうのかとも思った。


でも新人戦を控える身としては赤点保持で部活停止は避けたい。

今はもう後輩のエースではなく俺が部長な訳だし…




恥を忍んで二人が待つ図書室へ向かった。



そこには篠原先輩しかいなかった




『こんにちは、切原君』




相変わらず可愛い笑顔で胸の奥がキュンとすると同時に…チクリとした




『柳君今日用事が出来ちゃったんだって、私と二人でもいいかな?』




「…え」



そ、それって不味くないか?だって柳先輩と篠原先輩は付き合ってるんだし…俺と二人っきりってのはどうなんだ?





『嫌…かな?』



「い、いえ!とんでもないです!寧ろラッキーっす!」




っておい!俺なに言ってるんだよばか!




『ふふふ、良かった』




あぁ、諦めたと思ってたのにこの笑顔を見ちまったら好きがとまんねぇよもう…



とは思ったもののやっぱり二人っきりってのは物凄く緊張する。




『で、ここは代名詞をここに、そうそう』




やばいっ、ちかいし!



『切原君?顔真っ赤だよ?どうしたの?』



気分悪いの?と聞いてくる篠原先輩、マジ可愛いっす




じゃなくて!



あーもー!ごめんなさい柳先輩!!!





『え?』





「すみません!俺!篠原先輩のこと好きっす!柳先輩と付き合ってる事は知ってるっすけど、それでも、それでも我慢できないっす!」





勢いに任せて何を言ったのか、数秒理解できなかった。




が、すぐに気が付く…篠原先輩はとても驚いていて





その顔もめっちゃ可愛くて




「すき、なんっすよぉ」





情けなくて





あぁ、ダメだ、柳先輩に申し訳ない…





先輩がいないのを良いことに…





『あ、ありがとう…でも私』「知ってるっす!柳先輩と付き合ってるんですよね!すみません!なんか!あの、ほんと!」






『うん、あの、顔を上げて?私柳君とは付き合ってないよ?』





「…は?」




『私、柳君に告白したんだけどフラれてるの…好きな人が居るって』




「…へ?」




『だから、謝らなくていいの、ごめんね私こそ切原君の気持ち気付かないで…』






そこからなにがなんだかわからなくて俺は…






「あぁ、そ、そうなんですか…」





一気に恥ずかしくなった





『でも切原君の気持ちはとっても嬉しいよ、ありがとう』






でも




「次のテストで80点以上とったら、デート、してくれませんか」





気持ちよりも言葉が正直で




『勿論!』






先輩の笑顔がほんとに可愛くて







あぁ、堪らなく好きなんだなぁって思えて




『よぉーし、80点かぁもう少し気合い入れて頑張らないとね!』





今回のテスト、絶対に80点取るんだって思った。







「頑張ります!俺絶対に80点取ります!」






『うん!』






_____________


テスト返却当日






「篠原先輩!!!!」




『あ、切原君!どうでしたか?』




「へへへ!じゃーん!」





「おお、赤也、凄いじゃないか」




『ほんと!81点!』



「頑張りました!」





「よくやったな、赤也。そうだ何かご褒美でも「いらないっす!」ん?」




「篠原先輩!デートしてください!」



『ふふ、いくらでも』





まぁ後にも先にも英語でこんな高得点をとったのはこの時だけだったがそれはそれで良かった。




え?

篠原先輩とのデート?





そりゃぁもう!最高だったぜ!





終わり





あかーやーん!マジ可愛い!もう!テンパってる彼が一番スキー!天パじゃなくて!←


柳君の空気感まじぱねぇすっす!

君に幸あれー!!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ