うつらうつら

□失恋、したんだ
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「え?まじ?」




「マジマジ、かなりマジ」




「うっそー篠原さん芳村と別れたのー?俺いっちゃおっかな!」




「やめとけよ、お前なんか相手にされねぇって」




「でもよー篠原さんマジかわいすぎねぇ?」




「ちょっと!男子!聞こえてるから!喧嘩売ってんの!?」





「いや、その…」






立海2年で一番かわいいと言われる篠原がサッカー部の芳村と付き合い始めたのは一年の夏、いい感じで付き合ってきていて去年海原際のベストカップルとかにもなってたんだけど、その二人が最近別れたらしい




らしいと言うのは又聞きだったからで確信はなかった



けど今日の篠原の顔を見たら本当なのだと判明した



クラスの男子で篠原から離れたところでこそこそと別れたから狙うだの何で別れたんだろうなだの話していたのが聞こえたらしく泣きはしないものの目がうるうるしていた



それに気づいた女子は篠原を庇うように男子に制裁を加えていた




篠原は見た目も可愛ければ性格もとびきりいいやつだ



ふわふわしてるきと思えばしっかりもので頭も良いため男子受けするが


けしてぶりっ子ではなくちょっと抜けて足りするところが母性本能を擽るらしく女子受けもよい



そんな篠原と付き合っていた芳村は2年で一番頭がよくイケメンであり女子受け最高のやつだった



誰からも祝福されるような二人だったのに何故別れたんだろう



理由を聞かれても篠原は曖昧に笑うだけで教えてはくれないらしく芳村の方は「俺のせいだから、あいつはなんも悪くねぇから」とこちらも曖昧に答えその場をしのいでいる





そろそろ柳先輩辺りが原因をつかむ頃だろうから俺は特に触れずそのままにしている




教えてもいい内容だったら口の固そうな友人だけににこっそり教えてやろうと一時間目の教科書を机から引っ張り出した








『切原君』




「ん?」




突然、篠原が話をかけてきた





『あの、これ、切原君のだよね?』





そっと折りたたまった白い紙を差し出され受け取って確認するとまさにそれは自分のものであまり他人にはみられたくない英語の小テストだったら




しかも50問中3点のやつ





「…どこにあった?」



『乗降口』




「そ、そっか、さんきゅ」




『拾ったの私じゃなくて英語の先生…で、再テスト明日やるから切原に言っておいてくれって言われて…』




「げっ、再テスト!?」




『うん、篠原教えてやってくれよとも…言われたんだけど、一緒にやる?』




「え」







どうする?と眉毛を下げて言ってきた篠原…



なるほど可愛い



これは可愛い






「た、頼めるか?」




『わかった、じゃぁ放課後でいい?あ、部活だったっけ?』




「いや、先輩に言っておく!放課後で!」





『わかった』




もしかしたら事の真相を聞けるかもしれない!
柳先輩にも教えてあげよう!気になってたから喜ぶぞ!


いやしかし声も可愛い篠原




見た目だけじゃない





ちょっと楽しみだ



あ、今のうちに柳先輩と幸村先輩に報告しておこう




明日、英語のテストで友達と教室でテスト勉強してから部活にいきます。




で、いいか?送信






ものの1分くらいで了解、しっかり勉強するようにと先輩二人から同じ文で返ってきた。



早すぎ!





でも篠原いい匂いする!集中出来ねぇ!









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