うつらうつら

□失恋したとか!
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『え』




「悪い…俺峰山の事好きでお前と仲良くしてたんだわ、だから、勘違いとかさせてごめん」





『う、うっわー私はずかしー!ごめん田中マジかー勘違いとかマジウケるー!』




「お、おう、悪い…」





『あ、いいのいいの!元々ダメ元でコクったんだから!ってかマジあーちゃんかぁかわいいもんね!ふわふわで!頑張れよぉー田中!』




「ん、さんきゅ 」





『じゃぁ私行くわーこれからめっちゃ協力側に回りますんで何でも頼って!ちなみにあーちゃんの好みは無精髭の似合うワイルドなタイプだから!マジ頑張れよ!引き留めてごめんねーじゃ!』





「え、ちょ、まって、無精髭?ワイルド?え?ちょっと篠原!?もどれー!」







誰が戻れるかよ…



私の事好きで近づいてきてくれたんじゃなくてあーちゃんに近づきたくて私に話しかけまくってただけとか…




勘違い女乙




恥ずかしいわ、失恋のショックだわ、好きな人が友達のこと好きとかマジ無い




あーもーどうしよう…






ドンッ





「あ、わりっ」





しかも曲がり角で人にぶつかって尻餅とかマジださい…




ほんと、ダサいしキモいわ…





「え、ちょ、泣くほど痛かったのか?大丈夫か?悪い俺前みてなくて…」





なんか言わなきゃ…ぶつかっちゃった人になんか言わなくちゃ勘違いされてる






『す、び、まぜん、大丈夫、でず』




「いや、ほんと、ごめんな?」




なんかめっちゃ謝ってくる




この人いい人だわ






『ずっ、大丈夫で、ふ、』





「あーえっと…って篠原!?」





『ん?あ、くわばらぁ?』




「おう、悪かったな篠原」





あぁ、優しい人だと思ったら桑原か

立海で一番優しいと言っても過言では無い男だこいつは





『も、う、行っていいよ、わた、し大丈夫だから』



ひゃっくりになるほど泣いててなに言ってるかわかんないけど伝わったらしく一緒にしゃがんでくれていた桑原が立ち上がった





と思ったら腕を引かれた






?なんだ?





「そんなに泣いてんのに置いていけるかよ、ほら保健室行こうぜ」





…こいつはほんと、いい人過ぎる







ぐいっと引っ張られ立ち上がった私にちょっと汗臭せぇかもだけど比較的新しいやつだからよ、とタオルを貸してくれそのまま歩き始めた




何処も痛くない、大丈夫だと伝えたのだがいいから行くぞと言われ黙ってついていくことに





以外と強引なところもあるんだな桑原




「先生、居ないみたいだな」




『うん』




「ちょっと待ってろよ」





保健室に着いたが先生はおらず桑原は何やらチャカチャカと手際よく作っている。




『桑原、部活、平気なの?』





「今日は自主練だから心配すんな」




おうふ、自主練したいだろうに…マジすまん




「おらよ」






と渡されたのは氷嚢(ひょうのう)でこれは目に当てろってことなんだろうとお礼を言って目に当てた




ひんやりしてきもちい




『桑原ぁ』




「ん?」




『ぶつかったから泣いたんじゃないんだ』




「おう」




『田中にコクってきた』




「お、おう、そっか」





『ん、んでフラれた』





「ど、ドンマイ」





『あーちゃんが好きなんだと』





「あー…峰山?」




『そ』




「マジか…」





『マジ、はぁー勘違いしてたんだよー』




「勘違い?」




『そー、田中さぁ最近めっちゃ話しかけてきてさぁ、いい奴だなって思っててさぁ、でも、実際あーちゃんに話しかけられないから私に話し掛けてきてたっぽい』





「あー…やべぇな」




『うん、やべー』




「お前は悪くねぇよ」





『んだよね、私は悪くない』




「おう」





『はぁーなんかマジでごめんねー』





「?なんで?」





『いやぁー、前みてなくてぶつかっておいてこんな事してくれてさ、チョー感謝』




「ははっ、感謝はごめんじゃねぇよ」




『ん、マジありがと』




「どういたしまして」







そのあとなんか下らない話を30分くらい付き合わせて目の腫れがひいた頃桑原と別れて、帰った





帰ってそっこーお小遣いもって美容院へ駆け込んだ







肩まで伸ばしていた髪は見事なボブへ進化した








次の日








『桑原おはよー』





「おは、え?」




『どう?似合う?』





「マジかよ」





『マジマジ、最近髪の毛乾かすのめんどーすぎて切りたかったの、踏ん切り着いたわ』




「…」





『昨日はありがとね、桑原のお陰ですっぱり諦められたわ!もーなんてーの?吹っ切れた!って感じー?』





「…」






『マジありがと』






「…」





『え?ちょ、なんか言ってよ!似合ってない?』





「…あ、いや、めっちゃ似合ってる」




『あはーよかったー』






「篠原」





『ん?』





「俺、昨日さ、」




『うん?』





「篠原が泣いてる理由、知ってたんだよ」





『へ?』





「フラれることも、実は知ってたんだ」





『え?は?ちょ、まって、なんで?』





「田中が言ってた、篠原に呼び出されたけど断ってくるって…だから俺、篠原がどうしても気になって…悪い」




『え、っとー?な、何となくわかったけど、何で来てくれたの?桑原の性格から笑いに来たとかそーゆー事じゃないっしょ?』





「お前が、篠原が、好き、だから」





『あーなる、ん???』





「弱味に漬け込みたくなかったんだけど、弱ってんの見たらほっとけなかったし…俺のお陰で吹っ切れたとか言われて騙してんの嫌でよ…ほんと、ごめんな」





『…マジか』





「お、おう、マジだ」






『く、桑原』




「お、おう」





『私、髪型、似合ってる?』





「超かわいい!」




『そ、そっか、へへ、切って良かった』




「おう、マジかわいい」




『そ?照れるぅー』





「マジだから」




『うん、ありがと』





「お前の事も、マジだから」





『うん、ありがと』





「と、とりあえず友達から…」





『へ?私ら友達だったじゃん?』




「あ、そっか」





『ん、でも、マジ考えるから桑原のこと、好きだからちゃんと考えるから』





「おう」





『ちょっと待ってろよな』






「おう!」





『あ!あそこに色白巨乳が!』





「見えてねぇよ、お前しか」






『…Cカップさーせん』






「延びしろだ」





『えっちぃ!あ!あーちゃーん!』





「え?名無しさんちゃん?!その髪どうしたの?!」






桑原はいい奴!




真面目に考える!










「あ、ジャッカル」




「よぉ田中、昨日はありがとな」




「え?俺なんかしたっけ?」





「いや、何でもねぇ」






『桑原ぁー!まずはジャッカルって呼んでいいー?』




「当たり前だろ、名無しさん」





「え?え?お前らどうなってんの?」




『お!田中じゃん、おっはー!あーちゃん!田中だよー』




「え?あ、うん、田中君おはよう」




「お、おはよう!」









ジャッカルを桑原って呼んでみたくて書いた。
ジャッカルマジイケメン!

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