夢小説

□もう好きだもん。
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私には好きな人がいる。
その人はとっても、とっても格好いい。
それなのに、アルミンはいつも言う。
「もっといい人がいるよ」
私にはその人しかいないのに。
アルミンはどうしてそんなこと言うの。
「だって、他の人のほうが格好いいよ」
アルミンの蒼い目は冷たそうな輝きを放つ。
「私は格好いいと思わないよ」
だって、私が格好いいと思うのは一人だけだもん。
「でも、背だって低いんだよ」
アルミンは言う。
「私より高いもん。それに、これから大きくなるもん」
私も負けじと言い返す。
「運動だって、全然できないし」
それでも、アルミンは私に言う。
「私より、できるもん」
私は今にも泣きだしたい気持ちでいっぱいだ。
泣いたらアルミンは私に酷いことを言わなくなるのは知っている。
私が泣けば、ごめんねとアルミンも泣きそうな顔をすることを知っている。
でも、泣いたら私の負けだと思った。
「ねぇ、アルミンはどうしてそんな酷いことばっか言うの? 」
私の声は震えている。
「だって、僕はルーナのことが大好きだから」
下を向いたアルミン。
私の目からは抑えられなくなった涙が溢れる。
「アルミンの馬鹿! 私の好きな人のこと悪く言わないでよ! 」
涙は止まらない。
アルミンはゆっくりと私を抱きしめてくれる。
「ごめんね、ルーナ」
アルミンの腕が男らしくなっていることに気づいた。
「僕、強くなるから。だから――」
アルミンは私の耳元で小さな声で言った。
振られちゃった。
せっかく、勇気出して告白したのに。
でも、アルミンはきっと強くなるって思う。
絶対に。



「だから、僕が強くなるまで待っててほしい。
 今度は、僕から告白してもいいかな? 」











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