夢小説

□届かない。
1ページ/1ページ



届かない。


リヴァイ視点です。

 こっそりと想いを寄せている。
笑顔が可愛いルーナに。
初めはうるさい奴だとばかり思っていた。
派手なミスばかり繰り返しては周囲の奴等に助けてもらっている。
助ける奴等も奴等だ、と今まで思ってきた。
でも、それは俺の勘違いだったようだ。
派手なミスをするルーナ。
でも、あいさつはできるし、先輩を立てることもできる。
何より、部屋が綺麗だ。
でも、ルーナは俺のことなんて眼中にもないのかもしれない。

 「ルーナ、おはよう」
俺から部下にあいさつするなんてルーナだけだ。
「あっ! リヴァイ兵士長、申し訳ありません。ぼうっとしてて……
 おはようございます」
可愛い笑顔を俺に一瞬だけ向けて、軽く会釈をしてからルーナは忙しそうに俺から離れていった。
「はぁ」
無意識のため息が出る。
ルーナに会うといつもそうだ。
でも。
「おはようございますか……」
ルーナの言葉をぼそりと繰り返す。
敬語の冷たいようあいさつが響く。
この敬語が俺とあいつの関係を表している。

 おはようと、言ってくれる日はくるのだろうか。
エレンと楽しそうに話す後姿を見つめて呟いた。
「好きだ……」


兵士長の辛い片想い

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ