しゅごキャラ!

□1話
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今日1日の授業が終わり日奈森と苗字は一緒に帰っていた。
 
 「日奈森はさ___」
 「その日奈森っていうのやめてくれない?」
 
友達になったのによそよそしさが嫌だと言う。俺はまだ苗字すら呼んでもらってないのにと苗字は不満げに日奈森の顔を見る。
 
 「じゃあ俺のこと名前って呼んでよ」
 「………名前」
 
少しの間の後、日奈森は口を開いた。とても小さな声だ。名前はニヤリと笑った。
 
 「そんなに恥ずかしがることないのに」
 「はっはは恥ずかしがってないしぃー?」

語尾がやや高くなり顔は赤面している。転校してきて約半年が経つが未だに名前を呼び合う仲の良い子がいない日奈森にとって今は初めて友達が出来る感覚と同じなのだ。

なんやかんやと2人で話をしながら歩いていたら名前が十字路で立ち止まった。

 「俺こっちだわ」
 「あたしはあっち」
 「じゃあまた明日」
 「うん!また明日ね名前!」

花が咲きそうな程の笑顔。名前はその笑顔に一瞬見惚れていた。なんだ、いつも仏頂面の割に可愛く笑うじゃないか。そう思いふふっと小さく笑い目を細めて優しげに微笑む。
 
 「じゃあな日奈森」
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