Turn Over Life....


□Una missione improvvisa.
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自室でラジオを聴きながら紅茶を飲んでいたら部屋を誰かがノックする音が聞こえた。
ドアを開ければ長身の男、もといリゾットさんが立っていた。
立ち話もなんだから、と部屋に招き入れ彼の分の紅茶を入れ始める。
ソファに座った彼は一言、今夜はなにか予定があるか、と聞いてきた。
特にはないです、と答えティーポットに熱湯を注ぎ込み、暫く蒸らす。茶葉の良い香りが部屋を満たした。
彼のいる席の真ん前に置かれたシンプルな
木製のテーブルにティーポットと先程焼いたクッキーの乗った皿を置く。
彼はお礼の言葉を述べたあと、バツが悪そうに下を向いてため息をついた。


『どうかしたんですか。』


「...今日は仕事が無駄に多くてな。うちのチームは人手不足なんだ。そこで、奏多に任務に出てもらいたいと思っている。もちろん報酬は払う。」


『私が、ですか。』


「あぁ。」


『...その、任務の内容は...』


「ターゲットの始末だ。ソルベとジェラートに同行してもらう予定だ。」


"始末"ということは、つまりそういう事だ。
また私は人の命を奪う仕事に加担しなければいけないという事を示している。
まぁ、いずれ訪れるだろうと思っていたし、覚悟はできている。


『分かりました。やらせていただきます。』


「潔いな。もう少し渋るかと思っていたが。」


『郷に入っては郷に従え、という私の母国のことわざがあります。パッショーネに身を置いているからには仕事はこなさなければ、と思いまして。』


「...そうか。」


リゾットさんは紅茶に口をつけ、少し微笑んでみせた。


「お前がいるならソルベもジェラートも喜ぶだろう。すまないがよろしく頼む。」


『足でまといのならぬよう頑張ります。』


彼は紅茶を飲み干し、何枚かクッキーを食べてから、上階へと戻って行った。

私は後片付けをしつつ、夜に控えている任務のことを考え覚悟を決めるのであった。



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