Turn Over Life....


□Nuovo menu.
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『新メニュー、ですか?』


「えぇ。スイーツを2種類ほど増やしたいと思いまして。」


閉店後、エドモンドさんから持ちかけられた相談は新メニューを開発して欲しいとの事。
店に出ているデザートは3種類。今私が作っているものだ。
だが、通常メニュー以外にも季節限定という形で注目性を与えたいのだという。


「人気になったら通常メニューとしても加えようと思っています。...手間を増やしてしまうのは申し訳ないですが、お願いできませんか?」


『私には断る理由はないですし、お菓子作りは好きなのでお任せ下さい!』


斯くして、私の新メニュー開発が始まった。


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既存のスイーツはガトーショコラ、ニューヨークチーズケーキ、シフォンケーキだ。
どうせ作るなら、これらと違ったテイストのものが良い。

1つ目はもう既にどのようなものにするか決めている。
抹茶を使ったティラミスだ。日本を出る時、空港に売られていた抹茶ティラミスを思い出す。あれが美味しかった。また食べたい。そんな理由だ。

2つ目はスコーンにしよう。混ぜて焼くだけ。日によって混ぜるものを変えれば飽きがこないだろう。シフォンケーキも同様にアレンジしていこうと思う。

そうとなれば、試作品を作ってみなければ。

外はあいにくの雨だが、買い物へと向かう。
無地の青い大きめの傘をさしてゆったりと石畳の上を歩く。
雨のイタリアもいいものだ。


「あら、奏多ちゃん。今日はなにかお買い物?」


声をかけてくれたのは常連のおばさんだ。
市場の八百屋をきりもりしていて、よくサービスしてくれる優しい人だ。


『今日はお菓子作るために材料の調達をしているんです。』


「何を作るんだい?」


『ティラミスとスコーンを予定しています。』


「ならスコーンにこのレーズンなんてどうだい?」


『ありがとうございます。それと、トマトと玉ねぎ、にんじんを頂いてもいいですか?』


「あいよ。」


ちゃっかり夕飯の買い物を済ませる。ふふふ。計画通り。

次にマスカルポーネチーズや生クリーム、バターを購入。小麦粉はまだあったはずだから大丈夫だろう。

問題は抹茶。売ってるかどうか不安に思いつつ、茶葉の専門店へと足を踏み入れた。


「いらっしゃいませ。どんな茶葉をお探しで?」


『日本の茶葉...抹茶って置いてますか?』


「えぇ。置いてますよ。」


値段を見ると日本の倍近く。財布に優しくない...エドモンドさんと要相談して売り出さなければ。それに、高いものを使うなら妥協はできない。

決意を新たに宿舎への帰路をたどる。



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