Turn Over Life....


□Buona notte.
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リゾットさんの後ろを黙ってついていく。

前にお邪魔したリビングの様な所のソファではホルマジオさんが眠っていた。
晩酌を楽しんだ後そのまま寝たのだろう。

その横を素通りして、部屋の奥にある階段を上る。
階段を登って1番奥の部屋の前に立ち、ドアを開け入るように促される。


『お邪魔します。』


「...少し寛いでいてくれ。」


そう言うと彼は部屋を出ていった。

静かに閉められたドアをぼーっと眺めていたが、一気に意識が覚醒する。

まって、どうしてこうなった!?

来いと言われ、黙ってついてきたのはいいが、ここは間違いなく彼の部屋。
まさか部屋に通されるとは思ってもいなかった私は妙な緊張を覚えた。

とりあえず、部屋を見渡してみる。
セミダブルのシンプルなベッドに仕事で使うであろうデスク、片付けられた本棚(書類も沢山あるようだ)に備え付けのクローゼット。
どれもシンプルに黒と白の色使い。また、きちんと片付けられていて、几帳面ということが伺える。

私は何をする訳でもなく部屋の中央でドアが開くのをじっと待った。


暫くして、部屋のドアが開き、スウェット姿のリゾットが両手にマグカップを持って現れた。
カップの中身はココアのようで、いい香りが部屋を満たす。


「寝れないんだろ。これでも飲んで少し落ち着くといい。」


『ありがとうございます。』


彼からカップを受け取ると、ココアの香りと同時にシャンプーのいい香りも香ってきた。
どうやら、シャワーを浴びてからわざわざココアを入れて来てくれたらしい。ありがたい限りである。


「...初任務がそんなに怖かったか。」


自分が抱いている感情を言い当てられ、肩がビクッと跳ねた。


『...怖くなかったといえば嘘になります。目の前でいとも簡単に消えていく人の命...人を直接殺めた訳では無いんですが、怖かったです。』


「エドモンドも中々に意地の悪いことをする。...エドモンドの護衛は俺だけだった。だが、組織の者に狙われると知っていて、お前を連れ出した。」


『それって。』


「言わずもがな、お前に実戦経験を積ませたかったんだろう。今後依頼されるであろう護衛任務の為にもな。」


『そうだったんですね。入団試験以降覚悟していましたが、やっぱり実際に人を殺めることは怖いです…でも、戦わないと自分が、エドモンドさんが死んでしまうと思ったら無我夢中で。』


「じきに慣れるさ。気を抜いたら自分が死ぬ。そんな世界だ。」


『...私これからどうなるんでしょうね。』



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