Turn Over Life....
□恐怖からは目をそらす。
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いつも通りカフェで紅茶をすすりいつも通りイヤホンを片耳につけ、漫画を読む。テラス席は最高だ。暖かい日の光を浴びながらのんびりできるからね。
にしても、いつ見てもヴィランはかっこいい。自分が好きなキャラクターにほほを緩ませつつ紅茶の入ったカップに口をつける。
「ここ、いいかな?」
目の前にはセンターわけの髪形をした男がいた。それにかわったコートを羽織っているのも特徴だ。
にしても相席…?他にも席が開いているのに。
新手のナンパですか。確かにイケメンだけどさ、こんな高校生相手に何してるんだろう。
「どうぞ。」
「君、雨乃奏多だろ?」
「は?」
思わずその人の顔を凝視してしまった。俺はまだ名乗っていないはずだ。
それに有名人という訳でもない。
「なんで、という顔だね。僕は君をずいぶん昔から知っているよ。」
男はそういいながら小さく折りたたまれた真っ白い紙を取り出す。
普通の紙なのに得体のしれない恐怖を感じた。
男はにやりと笑い、紙を広げて机に置く。
「フフッ…」
紙を持ち上げるとそこには俺の家族の写真が置かれていた。
「なにして…」
「恐怖のサインを見つけた!」
男の背後からスタンドが現れる。
俺はとっさに矢印を貼り付け、男をふっとばし自分にも矢印を貼り付け距離を取る。
だいぶ遠くまで飛ばしたおかげで射程距離外に出れたようだ。
「君の恐怖のサインは見つけたよ。君は恐怖を感じると目をそらすんだね。最初は強がってたようだけど、案外わかりやすいね。」
「何が目的ですか。こんな小娘に構っててていいんですか。」
威圧しながらしゃべるが相手には効果がないようで、鼻で笑われてしまった。
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