Turn Over Life....


□地図には載ってないそこ。
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ある昼下がり、いつも通りカフェでお茶をして自宅へ向かっている途中での事だ。目の前には町内の地図が書かれた看板の前によく知った人達の姿を見かけた。

「露伴先生に康一くんじゃあないか。こんなところで何をしているんですか?」

「奏多じゃあないか。君もおかしいと思わないか?」

露伴先生が指をさした方向を見れば地図にはない道が1本続いていた。露伴先生の持っている地図『杜王町三千分の一』にも載っていないらしい。

「ちょいと行ってみないか?」

「露伴先生…あの〜今、僕急いでいるんですけど…」

「俺も夕飯の買い物して帰ろうかと。」

二人してその場を離れようと試みたが結局そのワガママに付き合う事に。
道を進めば赤いポストに誰かが踏んだ跡がある犬の糞が落ちていた。それに家の表札に書かれた名字の家は又しても地図には載っていないらしい。図書券が一体何枚もらえるのだろうか、と露伴先生と話しながら足を進める。変わった事に、どこの家からも人が住んでいるような気配は感じられなかった。自動販売機の電気まで切れているようだった。

「駄目だ。この地図…役に立たない。あの曲がり角もその先も載ってないな。」

「あれ?」

露伴先生と康一が歩みを止めたので俺も止まる。視線の先を見れば先程通過したあのポストが。
もう一度その前を通る。そして角を曲がればまたポストが見えてきた。

「どういう事だってばよ」




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