Turn Over Life....


□面倒な事は嫌いなんだけどな。
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朝。重い瞼を無理矢理こじ開けて耳元でガンガン鳴り響く目覚ましのスイッチを押す。昨日のことを思い出すだけで頭が痛い。どうしたものか。
気が乗らないが学校に行かないわけにはいけない。俺は制服に着替え簪で髪を結うと適当に朝食をとり、昼食用の弁当を作り鞄に放り投げた。絶対ぐちゃってなった…。
テレビでは行方不明事件のことを長々と語っていた。最近物騒だなと他人事のように思う。実際に事件が起きているのは近所なのだが。俺にはこの矢印があるのでそう簡単には攻撃は喰らわないし逃げる事も可能だ。昨日それが証明された。思い出したくもないが。
ぼーっとしていると登校する時間になっていたので急いでローファーを履き、戸締りをして通学路を歩く。

「あ、いたいた!雨乃さーん!!」

....聞きたくもない声が後ろから。

「あ、えっとおはよう、康一くん」

明らかに俺の声が震えていた。動揺しているのがバレバレではないか。

「昨日はいきなり露伴先生がスタンド出しちゃってごめんね?驚いたでしょ」

「え、あ、こちらこそごめんね....いきなり攻撃したり帰っちゃったりして」

「露伴先生は全く気にしていなかったみたいだよ。そうそう、先生から雨乃さんにって手紙を預かったんだ」

予想外だ。あの人が誰かのために手紙なんか書くのか?(露伴先生に失礼な気もするが)だがあの人の性格上他人の事などどうでもいいと思っているんじゃあないのか?
あぁ、読みたいだけか。

「ありがとう、康一くん」

その手紙を受け取り、授業中に読んだのだがなんとも恐ろしい内容で思わず現実逃避に何時間か眠ってしまった。休み時間の時もぴくりとも動かなかった俺を見た他の生徒達はかなり心配してくれていたと康一が後日教えてくれた。



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