葛原ケ岡に消ゆる身の

□後藤助光という男
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……鎌倉時代末期に、私は、死んだ。


妻に看取られ、病に苦しみ、


北条を呪いながら…。


辛い、最期だった。


怨念と復讐と後悔の念が、渦を巻いた。


汚辱にまみれ、穢れた私の魂は、


天国に昇る事が許されず…、


地獄にも、行けなかった。


しかし、私の、主に対する恩情は、


天界の神々の知るところとなり、


……私は、裁判にかけられた。



再び、…私の中で、何かが始まろうとしていた。


全ては、…我が主のために。

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